柱状地盤改良体及び二重鋼管杭の地震応答解析法の確立と減衰性能向上に関する研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15360303
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 日本大学短期大学部
• 研究代表者: 下村 幸男 日本大学短期大学部, 建設学科, 教授 (00060179)
• 研究分担者: 川村 政史 日本大学, 生産工学部, 教授 (80059849) ; 石丸 辰治 日本大学, 理工学部, 教授 (50059573)
• キーワード: 地盤免震 / 地盤改良 / 柱状地盤改良体 / 基礎ブロック / 加振実験 / 地震観測 / 減衰性能 / 廃タイヤ

研究概要

研究初年度は、(1)「柱状地盤改良体上の基礎の小型模型による加振実験」、(2)「二重鋼管杭システムの減衰性能向上に関する研究」(3)「試験装置周辺地盤の地震観測網の整備及び地震観測」の3テーマを掲げ研究に着手したが、諸般の事情によりテーマ(2)は来年度以降の課題とした。
日本大学理工学部船橋校舎の学術フロンテイア推進事業「環境・防災都市に関する共同研究センター」北側空地に、同センターに既設の「地盤免震装置」の基礎部と同一工法を用いて柱状地盤改良体を4体造成し、その上部にRC造基礎ブロックを打設した。他に材料試験用改良体2体を造成、その1体からコアサンプルを抜き取り、材料試験を実施した。1軸圧縮強度は、設計基準強度1MPaの2.54〜4.62倍であり、変形係数は839〜1755MPaという結果が得られた。また、基礎ブロック上2箇所に地震計を設置すると共に周辺地盤2箇所3測点に地中地震計を埋設した。
偏心マス型の起振機により加振実験を実施すると共にシミュレーション解析を薄層法及び新規導入の「非線形動的解析ソフトTDAP III」により実施し、実験・解析両面から改良地盤上の基礎ブロックの動特性を把握した。共振振動数が約9Hzであることと、基礎ブロック近傍の構造物の影響が無視できないことが判明した。なお、予備解析値よりも基礎ブロック及び周辺地盤の振動レベルが高かったため、急遽、当初計画を変更しテーマ(2)の実施を来年度に先送りし、基礎ブロックの振動低減のための予備実験を実施した。具体的には、土嚢、廃タイヤゴムチップ入り土嚢、さらに、ゴムチップを整形加工したブロックを鋼板で挟み込んだ振動低減材を改良部側面に埋め込んで加振実験を行った。その結果、来年度実施予定の減衰性能向上のための基礎的な知見が得られた。なお、整備した地震観測網は、加振実験時にも有効利用したが、十勝沖地震ほか数回の地震のデータを収録できた。

研究成果

• [文献書誌] Y.Shimomura, Y.Ikeda, H.Adachi, M.Nakanishi, Y.Ogushi, M.Nakamura, T.Arai: "An experimental study of mock-up pile foundations Part 1 Aging effects on dynamic soil springs"Transactions of 17th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology. Vol.K(CD). K05-5 (2003)
• [文献書誌] Y.Ikeda, Y.Shimomura, H.Adachi, Y.Ogushi, M.Nakamura: "An experimental study of mock-up pile foundations Part 2 Dynamic cross interaction of foundations"Transactions of 17th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology. Vol.K(CD). K05-6 (2003)
• [文献書誌] 池田能夫, 下村幸男, 小串欣也, 安達洋: "隣接構造物の影響を考慮した杭基礎群の地震応答解析シミュレーションについて"日本建築学会大会学術講演梗概集. 構造編. 311-312 (2003)
• [文献書誌] 下村幸男, 川村政史, 石丸辰治ほか: "改良地盤上の基礎ブロックの起振実験 その1〜その5"第47回日本大学理工学部学術講演会論文集. 構造・強度部会. 68-77 (2003)
• [文献書誌] 羽根田治, 小串欣也, 川村政史, 下村幸男, 石丸辰治: "ソイルセメントコラム上に設置した基礎の加振実験-実験概要及び柱状地盤改良体の座資料試験-"第36回日本大学生産工学部学術講演会講演概要. 建築部会. 49-52 (2003)