研究課題/領域番号 |
15360304
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
建築構造・材料
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研究機関 | 独立行政法人防災科学技術研究所 |
研究代表者 |
張 富明 独立行政法人防災科学技術研究所, 地震防災フロンティア研究センター, 研究員 (30360366)
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研究分担者 |
酒井 久和 独立行政法人防災科学技術研究所, 研究員 (00360371)
プリード ネルソン 独立行政法人防災科学技術研究所, 研究員
向井 洋一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (70252616)
谷 明勲 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (50155199)
河村 廣 神戸大学, 工学部, 教授 (70031119)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | ピロティ建物 / 地震被害 / 崩壊性状 / 地動パルス / 構造制御 / 振動モード / 耐震設計 |
研究概要 |
本研究は崩壊という観点からピロティ建物の耐震安全性を検討するとともに、変形配分型構造システムを開発し、建物崩壊を防止するための一つの方策を提示しようとするものである。 (1)ピロティ建物の崩壊メカニズムの解明:ピロティ建物の崩壊をもたらす第1階の柱の崩壊性状を検討するために、本研究ではまず収束計算が必要とはしない数値積分法を開発し、鉄筋コンクリート橋脚の動的崩壊性状を検討した。また、ピロティ階の柱について崩壊解析を実施し、柱の動的崩壊は水平耐力のほかに長期軸力比や上下動の影響が大きいことを明らかにした。建物の崩壊は水平復元力の負勾配と耐力の喪失に特徴付けられるので、負勾配の程度と地震動レベルとの関係も検討した。更に、直下型地震動の破壊力を検討するために、それをピーク値(PGA,PGV,PGD)のみに基づく正負地動パルスで単純化し、1自由度弾塑性系の最大応答や必要耐力などを簡単な解析式より予測できる可能性を示した。 (2)変形配分型構造の基本性状:ピロティ建物の崩壊を防止するために、変形集中を防ぐ必要がある。変形配分型構造は建物にRCD機構を組み込んだものである。RCD機構は第1階において、上層階の耐震壁に斜柱を追加したもので、そのメカニズム的な変形によって変形の配分を行う。本研究では、まず変形配分型構造のモデル化を行い、その耐震設計法や耐震性能を検討し、新築建物や既存建物の耐震補強への適用を検討した。次に、模型振動台実験を行い、建物の高さ方向での変形配分はRCD機構の斜柱の傾きのみに依存し、RCD機構による変形配分の有効性を確認し、1次モードの応答変位を幾何学的配分する効果及び挺子機構による内力の再配分効果を検証した。
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