研究分担者 |
倉渕 隆 東京理科大学, 工学部, 教授 (70178094)
坂本 雄三 東京大学, 大学院・工学系, 教授 (30114490)
加治屋 亮一 明治大学, 理工学部, 講師 (60062014)
酒井 孝司 大分大学, 工学部, 助教授 (40274691)
岩本 靜男 神奈川大学, 工学部, 助教授 (20213316)
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研究概要 |
本研究組織では,気流・温熱環境解析手法の次世代環境設計への応用を目的とし,非定常CFD解析手法の実現象再現性に関する研究を行っている.検討には,非定常問題を扱える乱流モデルとして有力なLESと,汎用性のあるk-εモデルを用いた.平成15年度は,非定常現象を取り扱う前段階として,主にCFD解析の追従性について検討した.本年度に得られた研究成果を以下にまとめる. ・LESを用いた解析手法の予測手法の検討では,浮力効果の卓越した非等温室内の気流を対象として,LESおよびk-εによるCFD解析を行い,LESの有効性・優位性を確認し,計算時間・精度から考えて,LESは実務レベルでも実用的な予測手法であることを示した.また,大空間において,固定式・可動吹出し空調時の温熱・気流性状を比較して,可動吹出し空調が,噴流の拡散性を向上可能であること,居住域における停滞域の解消に寄与することを明らかにした. ・実大模型による温度・風速測定と非定常CFD解析結果とを比較し,床暖房室のような自然対流が卓越した空間に対し,CFD解析の適応性を確認した.また,同模型内において被験者実験を行い,床暖房室内の熱的快適性について,被験者による温冷感,快適感の申告値及び温熱環境指標をもとに検討を行った. ・局所相似モデルに基づく流入開口部の通風性能評価を行うとともに,通風量算出のための設計資料に資することを目的に様々な形状の開口部について風洞実験を行い,通風性能データベースを作成した.また基本開口・横におけるDurbin型k-εモデルの実験再現性を確認し,CFDによりルーバー窓の気流性状解明を行うとともに,開口部のアスペクト比や開口厚が通風性能に与える影響について検討した. ・床吹出し空調方式を採用した体育館を対象とし,時変動を伴うCFD解析の追従性について検討した.その結果,解析結果と実測との比較により,温度分布についてはLES・k-εともに概ね実現象と対応することを確認した.
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