本研究の目的は、サポート産業の中核技術になり得る建物評価・情報開示技術と、インフィル産業の中核技術となり得る回収・再利用可能な家具的なインフィル実装・運用技術を確立し、適用可能な形で提案することにある。また、これら中核技術の検討では、生活者にとっての価値を高めることを最優先課題とし、新しいライフスタイルへの適応性を主たる評価軸としている。 研究の3年度目である本年度は、主として以下の研究を実施した。 (1)サポート産業の中核技術に関しては、コンバージョン等の利用後の改造工事がいかに円滑に行えるかという視点から、既存建物の適用可能性を評価する方法を取りまとめた。 (2)インフィル産業の中核技術に関しては、昨年度より、少子社会に対応すべく、子育てを支援するインフィルの開発に着手したが、ティッシュ・レベル、サポート・レベル、インフィル・レベルでの支援内容の分担関係を、具体的な業務とそれを担当する産業という観点から整理すると同時に、新たなインフィルを挿入することで、1棟の空きオフィスビルを転用し、都心での子育て支援を行う環境形成の設計案を前年度よりも詳細な形で立案した。また、そうしたインフィルの生産可能性について、部品メーカー等と協議し、生産可能なインフィルの設計の案をとりまとめた。 (3)以上を含む3年間の成果をとりまとめた。
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