研究課題/領域番号 |
15360325
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
廣川 美子 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (40001234)
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研究分担者 |
伊藤 恭行 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 助教授 (80203181)
岡村 穣 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 助教授 (60141438)
瀬口 哲夫 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (00093047)
寺田 博一 財団法人 啓明杜, 研究員
阪口 明弘 財団法人 日本建築総合試験所, 研究員 (10215618)
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キーワード | 土壁 / 色彩 / 伝統的建造物群保存地区 / コンピュータカラーマッチング / 蛍光X線分析装置 / 街並み / 発色元素 / 茶室 |
研究概要 |
本研究費により以下の1.〜6.を行なった。 1.蛍光X線分析装置・デジタル顕微鏡・分光測色計を用いて、土壁の色彩、発色元素の測定を行なった。実施場所は京都島原の角屋(扇の間、檜垣の間、青貝の間、緞子の間、二階北側廊下、扇の間西廊下、梅の間、八景の間、網代の間、台所土間、清隠斎)、大徳寺玉林院(南明庵,蓑庵,霞床席)、杉本家(座敷,茶室)、妙法院庫裏、佐原市加瀬家(仏間)、桂離宮中書院(一の間、大ばらし工法で江戸時代の壁が残っている)である。 現在、桂離宮以外にいわゆる大阪土壁が残っているとされる伝統的建築物はごく僅かである。その中で、我々が調査してきたものは、玉林院・南明庵、角屋・清隠斎、杉本家・茶室、妙法院・庫裏、そして桂離宮の中書院である。この中でかつての採土地で採られた大阪土を壁土に使用している建築物は、実際には不明であり、調査データの解析が待たれる。 また、次に調査予定の茶室の大山崎の待庵及び札幌の八景軒の予備調査を行なった。 2.伝統的建造物群保存地区(千葉県佐原市佐原、埼玉県川越市川越、福岡県甘木市秋月、福岡県吉井町筑後吉井、北海道函館市元町末広町、兵庫県神戸市北野町山本通、岡山県成羽町吹屋)の街並と土壁の予備調査を行なった。 3.佐原市佐原の伝統的建造物群保存地区の再生計画を提案した。 4.土壁に関する研究会を開催した。 4-1.名古屋市立大学芸術工学部大学内にて石田忠範氏により内外珪藻土壁の建築物について講演して頂いた。 4-2.京都建築専門学校にて、坊垣和明氏、佐野春仁氏による研究報告会「伝統住宅における土壁」を行なった。 5.石田志朗博士の協力により、聚楽土と思われる土(300種)の地質学的成因の分析実験を行なった。 6.海外調査を行なった。 6-1.中国福建省(南靖と永定)の土壁よりなる土楼及びその保存地区の町並の現地調査を行なった。 6-2.スペイン・カタルーニャ地方の土壁を持つ伝統的集落の調査を行なった。
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