研究概要 |
以下に,本研究における平成15年度の研究実績を記す. (1)積雪寒冷地における歩行空間のユニバーサルデザインに関する情報収集 国内外問わず,積雪寒冷地域での歩行空間の計画や管理基準および管理手法についての情報を収集し,バリアフリーやユニバーサルデザインに関する動向を把握し,有用なデータの蓄積ができた. (2)北海道内主要都市における降雪パターンのモデル化 積雪寒冷環境下での歩道の積雪や凍結状況を整理するために,過去10年分の降雪データを用いて,降雪パターンのモデル化を試みた. 結果,降雪量および圧雪量を単純化した地域別のモデルが提案できた.また,歩道上の圧雪厚さから凍結深さの予測を可能とした. (3)歩道のプロファイル測定と復元方法の検討 歩道の平坦性を指標化するために,歩道用小型プロファイラ(4機種)を用いて,歩道の凹凸測定および調査を行い,各プロファイラが高精度に歩道プロファイルの復元を可能とする推定方法の確立をした.また,歩道を定量的に評価するために歩道内の段差と勾配から歩道の平担性を評価する指標を確立した. (4)車椅子負荷量測定装置の開発と歩道の負荷量測定 歩道の平坦性が車椅子の走行に与える影響を明確にするために,車椅子にトルク計を取り付けた車椅子負荷量測定装置の開発を行い,供用されている歩道において,精度検証を実施し,歩道の縦断勾配と負荷量の関係を明確にした. (5)車椅子負荷量と歩道のプロファイルの関係 車椅子負荷量と歩道のプロファイルの関係を明確にするために,無積雪期および積雪期の屋外における歩道のプロファイル測定と負荷量測定を行った.また,凍上による影響を受けた平坦性の低い歩道においても測定を実施した. 結果,車椅子負荷量測定装置は,反復性能が高く,歩道の縦断勾配と累積電圧に強い相関があることがわかった.今後,情報収集した歩道の積雪や凍結状況とプロファイルとの関係についても検討する予定である.
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