研究概要 |
平成17年度は,平担性測定装置(以後,小型プロファイラと称す)と車椅子走行トルク測定装置を用いて,歩道の平坦性を定量的に把握できる新手法と歩道の平坦性評価手法の確立を行った. また,札幌市都心部を対象に平坦性調査を実施し,得られたデータを用いて歩道のバリアフリーに関するデータベース(以後,歩道基盤データベースと称す)の構築を行い,GISを活用し,歩道のバリアフリー化支援システムを構築した.本システムは,車いす使用者のための最適経路探索システムを開発し,付加している. 以下に,本研究における平成17年度の研究テーマ毎の成果を記す. (1)歩道の平担性評価手法と平担性指標の確立(苫米地,亀山):〜H17.10 歩道のプロファイルから得られる累積負荷高さと車いす移動負荷量の関係分析および官能試験を実施した結果,車いす移動負荷量と車いす使用者の「つらさ」は,高い相関関係を示し,車いす移動負荷量は,歩道の平担性指標として有効であることが明らかとなった. (2)歩道の平担性調査(川端):H17.8〜H17.2 札幌市都心部において,無雪期と積雪期の歩道のプロファイル測定を実施し,通年の歩道路面状況を把握した.その他にも冬期における歩道のバリアフリー施策や積雪による交通バリアの抽出を行った. これらの調査データは,開発したGISの「歩道のバリアフリー化支援システム」に格納した. (3)バリアフリー整備計画と最適経路探索システムの開発(石田,細川):H17.5〜H18.2 札幌市都心部において,歩道の縦断プロファイル測定から得られたデータを用いて,車いす移動負荷量を推定した.この車いす移動負荷量をパラメータとした最適経路探索システムの開発をおこなった. 最適化のアルゴリズムは,ダイクストラ法を用いており,GISのマップ上で視覚的にルートを提示することが可能となった.
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