研究課題/領域番号 |
15360337
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
堂山 昌男 帝京科学大学, 理工学部, 名誉教授 (40010748)
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研究分担者 |
義家 敏正 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (20124844)
栗原 俊一 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造研究所, 助手 (60215069)
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キーワード | 陽電子顕微鏡 / 透過型顕微鏡 / 顕微鏡 / イメジングプレート |
研究概要 |
すでに高エネルギー加速器研究機構、物質構造科学研究所の低速陽電子施設に運びこんであるJEOL100SX型電子顕微鏡を最終的に陽電子ビーム配管と繋げて、陽電子顕微鏡を稼働する予定であるが、平成16年夏季に加速器が止まった時に、配管が床上3メートルまで、延長された。あと一息である。これに伴い、われわれの陽電子顕微鏡、冷却装置、電気系配線も移動した。顕微鏡は頭部を改良した.高電圧電源も購入した。あと平成18年夏季に陽電子ビーム配管が数メートル延長される予定である。予備実験として、ポジトロニュウムタイムオブフライトの装置を用いて、陽電子顕微鏡が完成したときに用いるイメジングプレートの応用、性能の研究を行った.この結果、イメジングプレートの感度が陽電子の速度に関係することを見出した.陽電子の速度が5keVより高いものと、低いものに関して、異なることを発見した。感度をI,飛行距離をxとして、I=A exp(-Bx)で表せると仮定して、5keV以下の陽電子に対して、B=2.1x10^<-3>/m以上でB=8.8x10^<-3>/mを得た.これと同時に、帝京科学大学に22Na100マイクロキューリーの密封陽電子線源を購入し、陽電子による透視画像を空気中、及び真空中で種々の試料について行った.驚くべきことには、よく知られているX線と同様の透視画像がイメジングプレートを使用することにより得られた.この結果は「陽電子による透視画像の取得」と題して、特許申請を高エネルギー加速器研究機構を通して申請し、受理された段階である。これと同時に米国にも特許の仮申請を行った.また、高エネルギー加速器研究機構における実験で、陽電子による透過像と電子による透過像の違いが大きいのは加速電圧がそう高くない(5kV程度)方が100kV加速よりよいのではないかということも分かって来た.陽電子画像を顕微鏡で得るのにはイメジングプレートが非常に有効であることも確認した。陽電子が電子に比べて試料を透過しやすいことも透過した粒子を磁場に入れ、陽電子であることも確認できた。結果を見た多くの「専門家」がX線だろうと疑ったが、陽電子であることが確認された。
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