研究課題
ガラス材料や半導体デバイス材料表面近傍で発生する残留応力を、電子線走査プローブを用い高分解能測定することができた。PS効果を利用する本応力測定では、幾つかのCLスペクトルの応力によるシフトを観察し、応力感度の高いスペクトルを特定することができた。電界放射型熱電子走査型電子顕微鏡で得る高安定性の低加速電圧高照射電流電子線を励起源として得た発光の外部荷重による影響を調査した結果、発光メカニズムの種類によらずナノ応力測定ができることが分かった。自動スペクトル計測でも制御プログラムの向上により必要な大量データの(最大:10^6データ数/μm^2)処理ができるようになった。この手法はガラス電子デバイスの表面近傍ナノ領域残留応力測定評価で将来性が期待される。機械特性空間分解能は、レーザー光を励起源に用いた場合より劇的に向上し、CL分解能の性質は蛍光X線の元素分析で一般的に説明される分解能と類似する。CLは可視光領域である為材料内光吸収の影響や内部拡散電子密度の影響が分解能に対する寄与を我々は指摘し、これら物理的現象も分解能向上に寄与すると考える。シリカガラスでは、非架橋酸素ホールセンターで生じる630nm付近の発光バンドの高応力依存性を利用し、Si/SiO2 MOSデバイスの表面残留応力分布を測定し、応力値の絶対値を有限要素法で解析した値と比較し、主応力の配向性等解釈を加えた。応力成分を個々に求めることはPS法では依然難しいが、CL応力評価法でもナノ空間分解能で得た応力が応力テンソルで解釈できるものであることが、有限要素法との比較で明らかになった。本研究は応力測定可能な発光スペクトルを含む高効率・信頼性ガラスデバイス材料作製、欠陥濃度と化学組成分布は半導体材料製造で高信頼性の材料工程規格化に役立ち、デバイス開発でも構造的・機能的特性向上、製造における低コスト化、製造工程効率化等、製造・開発の要求に対し、ナノ領域機械的特性評価の成果が貢献するであろう。
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