研究課題/領域番号 |
15360358
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
八木 伸也 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20284226)
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研究分担者 |
柚原 淳司 名古屋大学, 工学部・核燃料管理施設, 助教授 (10273294)
加藤 政彦 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70222429)
曽田 一雄 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70154705)
橋本 英二 広島大学, 放射光科学研究センター, 助教授 (50033907)
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キーワード | 遷移金属表面 / Ag(111) / (CH_3)_2S / L-システイン / 放射光 / NEXAFS / XPS |
研究概要 |
遷移金属表面における含硫黄分子の吸着系について調べることは、高機能な自動車触媒や化学工業的な脱硫触媒さらには新薬開発への応用にとって非常に有意義な知見を与えると考えられる。本研究では、遷移金属表面であるAg(111)単結晶表面に吸着した(CH_3)_2S分子の吸着構造やニッケルや銅基板に吸着したL-システイン分子について、放射光を用いたX線吸収端微細構造法(NEXAFS)及びX線光電子分光法(XPS)によって調べた。 まず、(CH_3)_2S分子はAg(111)表面に対して硫黄原子とメチル基の両方で吸着し、その分子面を表面に対して約23度程度の配向角で吸着していることがわかった。この結果は、これまでに得られているNi(100)表面やCu(100)表面の結果と比べて、それらの中間的な反応であることが明らかとなった。しかしながら、Ag(111)表面のみ(CH_3)_2S分子のメチル基と反応しているという結果が得られたが、これについては遷移金属表面に存在する「表面電子準位」と分子のLUMOとの関係を調べる必要があると考えている。現在、銀超微粒子を銀表面に展開した表面を作製し、(CH_3)_2S分子の吸着反応についての解析を進め、超微粒子修飾表面の効果について明らかにすることを予定している。 また、生体分子であるL-システイン分子がニッケルおよび銅表面に吸着した系について調べた結果、水分子が存在する条件としない条件とで、吸着反応に大きな差が生じることが明らかとなった。この結果については、さらに詳細な解析を進めているところである。 今後は超微粒子によって新たに作られる「機能表面構造」を調べ、金属超微粒子の効果についての研究も進める予定である。
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