研究概要 |
TiAI合金は,次世代の軽量高温材料として注目されている。この材料はα_2Ti_3Al相とγTiAl相からなる層状組織をとる。この材料は層間隔を微細化すると強化される。しかし,層間隔がある程度以上減少すると強度が上限に達し,それ以上強化されなくなる。本年度は,強度の飽和現象の原因を検討し,次の成果を得た。 1.層状組織の平均層間隔λと降伏応力σ_yの間には,λ>170nmの範囲で,次のHall Petchの関係が成立する。 σ_y=σ_0λ+k/√<λ> (σ_0,k:定数) この領域のα_2/γ界面には,ミスフィット転位網がある。これが転位運動の障害となり,強い界面である。 2.λの減少にともない,γ層厚さが限界値(50nm)以下になると,α_2/γ界面のミスフィット転位が消失し,α_2/γ界面は弱い界面となる。その結果,σ_yと1/√<λ>の関係はHall-Petch関係からずれ,λの減少にもかかわらずσ_yの増加が停滞する。 3.更にλが減少し,すべてのα_2/γ界面がミスフィット転位のない弱い界面になった後は,λの減少とともに,再びσ_yが増加する。しかしその後は,界面本来の強度限界に達し,σ_yの上昇が止まる。 4.α_2/γ界面強度の変化と,層厚さの分布を考慮すれば,転位の界面堆積モデルによって,降伏応力と層間隔の関係を,よく説明することができる。 5.λが減少してもα_2/γ界面にミスフィット転位を導入できれば,TiAl合金の強度を向上させることができる。
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