研究概要 |
CeO_2とZrO_2及び(CeZr)O_2酸化物を木質バイオマス(おがくず)を出発原料に選び、金属塩水溶液への「含浸」と引き続く「乾燥」、不活性ガス中での「炭化」により金属酸化物-多孔質炭素複合体を調製し、更に2〜4%に制限された酸素により温和に炭素質を酸化除去して、粒径の揃った微粒金属酸化物(CeO_2、ZrO_2、(CeZr)O_2)を得た(A.Muto et al.Green Chemistry, vol.5,(2003)480-483)。 次に出発原料をイオン交換樹脂に変えて、得られる金属酸化物-炭素複合材ならびに金属酸化物の細孔構造や結晶構造、密度など詳細に検討した。また、メタンの部分酸化反応(気相触媒反応系)を代表反応例として、CeO_2、ZrO_2、(CeZr)O_2を触媒としての活性・特性を比較した。750℃においてNi成分(10,15wt%)を担持した(CeZr)O_2触媒はメタン反応率90%で、H_2/CO=3、CO_2生成率10%以下で活性の経時変化もなく、きわめて安定であった。 これらの結果は、化学工学会第70年会(2005年3月)において「Micap-CTR法によるCe/Zr系触媒を用いたメタン部分酸化反応」(講演番号:M116)の題目のもとに発表した。 さらに、Ni, LaおよびZr系化合物が高分散した炭素複合体を有機変換触媒として、液相反応系への適用例の開発を行った(粉体粉末冶金協会研究発表会、講演番号:1-01A、2005年11月発表)。NiとZr系炭素複合体はベンジルアルコールを液相界面からの空気あるいは酸素の溶解のみで、ベンズアルデヒドまで特異的に触媒酸化することを見出した。
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