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2003 年度 実績報告書

Ni基超合金の弾性歪測定によるタービン翼寿命予測

研究課題

研究課題/領域番号 15360369
研究種目

基盤研究(B)

研究機関香川大学

研究代表者

田中 克志  香川大学, 工学部, 助教授 (30236575)

研究分担者 角田 直人  香川大学, 工学部, 教授 (20029200)
キーワード超合金 / クリープ変形 / 弾性緩和 / 非破壊検査 / ラフト組織 / 異方的弾性歪
研究概要

Ni基超合金はジェットエンジン,またはガスタービンのタービン翼に用いられている材料であり,この材料の特性がシステム全体の熱効率を大きく左右する.また,単結晶材として用いられ,そのため大変に高価な部材となっている.本研究ではこの材料の寿命を非破壊的な方法で検査する方法を探ることを目的とした.
Ni基超合金のクリープ変形に伴う内部弾性歪の変化をX線回折測定により調べた.クリープ試験を45分,4時間,160時間行った中断試験片を用いて内部歪の測定を行った結果,クリープ変形量に対応した内部応力緩和が起こっていることが明らかとなった.この緩和は変形方向に対応して強い異方性を示し,引張軸を面内に含むような結晶面では顕著であるが,垂直な面では全く応力緩和を見ることができない.
電子顕微鏡を用いた内部組織の観察結果から,X線で測定された弾性歪の変化はラフト組織と呼ばれる層状組織の層界面に堆積するクリープ転位の密度と配列による応力緩和で説明することができることができることが明らかとなった.すなわち,X線で測定される内部弾性歪は内部に蓄積するクリープ転位の密度を表している.このクリープ転位の密度は直接この材料のクリープ寿命に関係している.つまり,あまりにも転位密度が大きくなったときにクリープ変形を抑えているラフト組織が崩壊し,急速に破断に至るとされている.したがって,X線を用いてクリープ転位密度を知ることができるということは,これまで破壊的な試料作りを行わないと分からないとされてきた内部組織の変化を非破壊検査によって知ることができることを示している.

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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