研究概要 |
Ni基超合金はジェットエンジン,またはガスタービンのタービン翼に用いられている材料であり,この材料の特性がシステム全体の熱効率を大きく左右する.また,単結晶材として用いられ,そのため大変に高価な部材となっている.本研究ではこの材料の寿命を非破壊的な方法で検査する方法を探ることを目的とした. 昨年度に引き続きNi基超合金のクリープ変形に伴う内部弾性歪の変化をX線回折測定により調べた.昨年度行った2θスキャンに加えて本年度はロッキングカーブの測定をあわせて行った. 電子顕微鏡における収束電子線回折測定法を用いて試料内部の応力分布の状態を調べた.この結果はX線のプロファイルと矛盾しないものであり,X線で測定され,理論モデルによって予測される応力分布が現実のものと一致していることが明らかとなった. 昨年度は内部組織変化に対してX線回折の2θプロファイルが対応することを示したが,寿命予測においてより重要なクリープ変形後期に対してはロッキングカーブがより敏感に対応することが明らかとなった.この変化について,昨年度構築した理論モデルの発展型のモデルによって内部組織との対応がつけられることが明らかとなった.
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