研究課題/領域番号 |
15360370
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堀田 善治 九州大学, 工学研究院, 教授 (20173643)
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研究分担者 |
金子 賢治 九州大学, 工学研究院, 助教授 (30336002)
中村 克昭 九州大学, 工学研究院, 助手 (70363380)
久恒 善美 九州大学, 工学研究院, 助手 (60380581)
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キーワード | 強ひずみ加工 / ねじり変形 / 高圧力 / アルミニウム合金 / 超微細粒 / 引張試験 / 超塑性 / 時効強化 |
研究概要 |
強ひずみ加工法として、高圧力を付与しながらねじり変形を与えるHPT(High Pressure Torsion)法が知られている。これまで厚さの薄い円板状試料しか適用できなかったため、本年度研究では試料厚さが大きいバルク状試料に適用できる方法を開発し、組織と機械的特性を評価した。また、強ひずみ加工した試料の時効強化挙動を調べるためにAl-Si系合金を用いて組織観察し強度や伸びの測定を行った。以下に得られた結果を要約する。 <バルクHPTの開発> (1)直径10mm、厚さを8mmの円筒状試料で1GPaの高圧を付与しながら、室温で強ひずみ加工できるHPT装置を試作した。 (2)回転によるせん断応力で、幅が150mmの伸びた結晶粒が形成されたが、この微細粒領域は中心に向かうにつれて消失した。 (3)Al-3%Mg-0.2%Sc合金を2回転した後、300℃、3.3×1 ^<-3>s^<-1>で引張試験を行ったところ〜1600%の超塑性伸びが得られた。 <時効挙動の観察・解析> (1)Al-1.5%Si合金をECAP(Equal-Channel Angular Pressing)で強ひずみ加工して373Kで時効した場合、強度や均一伸びの増加が確認された。溶体化のままでは強度増加は確認されなかった。 (2)ECAPによる強ひずみ加工材を時効すると溶体化材に比べて析出が早まり、同じ時間時効しても析出物は微細に保たれた。 (3)強ひずみ加工を施すことで時効組織が微細に制御できる可能性が示された。
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