研究課題/領域番号 |
15360385
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
湯川 伸樹 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10202392)
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研究分担者 |
石川 孝司 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60115524)
吉田 佳典 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60303674)
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キーワード | 塑性加工 / 逐次鍛造 / 板成形 / 増肉加工 / 鋼塑性FEM |
研究概要 |
近年、省エネルギー、省資源の観点から自動車等の機械部品に対する軽量化の要求が厳しくなってきている。部品の軽量性と強度を同時に確保するためには、強度が必要な部分にのみ肉厚を大きくし、その他の部分では可能な限り薄く部品を設計・加工することが必要となる。このような部分的に肉厚の異なる部品を塑性加工により一体成形することが可能ならば、コスト、生産性、材料歩留まりならびに材料強度の面から、極めて有用である。 本研究では、深絞りと鍛造の両方を組み合わせて形状を作り出していく逐次板鍛造加工に着目し、板材の肉厚を制御すること、特にその工程の最適化手法を開発することを目的として、まずその初期段階のための基礎的研究として、板鍛造加工実験ならびに剛塑性有限要素解析プログラムを用いたシミュレーションを行い、このような増肉加工の可能性について検討した。さらに、加工条件の増肉に対する影響について調査した。 厚さの均一な板材から、深絞りと逐次鍛造による多段加工で増肉することを試みた。剛塑性有限要素解析プログラム用いたシミュレーションと、実際の増肉実験を行い、以下の結果を得た。 1.深絞りと鍛造を組み合わせた加工で材料を半径方向内側に移動させることにより、増肉成形できることが確認できた。 2.シミュレーションの結果と実験の結果を比較し、よい一致が確認できた。 3.本研究の増肉成形の初期段階において鍛造上型の開口部径duの値が小さいほうが、材料が外側に流動しやすく、その後の工程において材料を内側に移動させることが困難になることがわかった。また、開口部傾斜角θの値に関しては大きいほど外側に材料が流動しやすいことがわかった。 1)材料の最も内側の部分に工具による拘束をもたせることにより、その部分の板厚を厚くさせることが可能だとわかった。
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