研究分担者 |
眞喜志 隆 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 教授 (60219300)
松田 昇一 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 助手 (90390567)
田中 学 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (20243272)
屋良 秀夫 琉球大学, 工学部, 教授 (60045028)
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研究概要 |
1.磁気制御現象の解明と効果の実証 (1)数値シミュレーションによる磁気制御溶接部の現象の明確化:溶接部の熱伝導解析及び電磁気解析を連成し,磁気制御溶接部の温度・磁化特性・磁場・電磁力分布特性を明らかにした。この結果,炭素鋼等の強磁性体では溶接の進行により磁場短絡回路の形成,溶融池近傍の高温非磁性域の発生現象にもかかわらず,磁化電流1Aでは溶融池内に10mTの磁束密度が得られ,重力を上回る強い上向電磁力が発生する事が予測できた。 (2)各種材質,姿勢での磁気制御現象・効果の明確化: (1)オーステナイト系ステンレス鋼(SUS304):上向,下向きの両姿勢においても磁場を付与しない場合は,母材上面にアンダーカット欠陥が発生し,母材下面側には過大な凸ビードが発生するが,磁気制御による上向電磁力(磁化電流0.5A)でこれらの問題は改善された。 (2)炭素鋼(SS400):上述の計算結果にほぼ対応し,良好な磁気制御効果が得られ,計算の妥当性が示された。 (3)9%Ni鋼の立向溶接:開先側壁に溶融金属を電磁力で押し付け,ビードの凸化を防止する磁気制御法を開発し,大手機械メーカと共同でLNGタンクに実用化した。 2.磁気制御溶接の知能化・高機能化の検討 (1)母材に平行な磁場を付与し,母材面に垂直な電磁力を発生させる事により,溶込みを増減させる事のできる新しい制御手段を有する知能化溶接法を新しく提案し,その可能性を実験的に把握した。 (2)直流成分を含む非対称交流磁場を付与する事により,1.項でしましたビード形状制御と同時に,電磁力による強制振動で凝固組織の微細化を可能とする高機能溶接を提案し,その可能性を実験的に把握した。
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