研究概要 |
1.分析用カラムを用いた分離試験によるシステムの評価 分析用小型カラム(セラモスフィア(キラル)RU-2、内径4.6mm、長さ250mm)を用いて2成分分離サンドイッチリサイクルシステムを実際に構築し、光学異性体((2,3-epoxypropyl)benzeneのラセミ体)の両成分の分離回収試験を行った。その結果、シミュレーションで得られていた結論と同じ性能を確認することが出来た。バルブ切り替えに必要な、コンピューター制御システムプログラムを汎用制御システム(National Instruments杜Labview)にて新たに開発し、今後の発展型システムおよびスケールアップに備えることが可能となった。 2.「調節された輸送管体積」の応用システムの提案 既に提案している多成分分離サンドイッチリサイクルシステムでは、ピークの保存のために調節された体積を持つ輸送管を利用している。今年度はこの輸送管の利用をさらに押し進めたシステムを提案した。まず、3成分以上の分離を行う際に発生する、成分間の干渉、成分の拡散による純度の低下という問題に対して、カラム通過回数を減らすことでこれらを抑制するシステムを提案した。このシステムではカラムを2つ用いる2ループリサイクルシステムとし、ループ間のスムースな接続を輸送管にて実現した。また、テーリングによる純度の低下に対しては、溶出したピークを輸送管を利用して反転させることで大幅な純度の向上が見込めることがわかった。 3.分取用カラムを用いたサンドイッチリサイクルシステムの構築 分取用カラム(セラモスフィア キラルRU-2、内径20mm、長さ250mm)を用いてサンドイッチリサイクルシステムを構築した。性能評価用物質としては、他の分離システムと比較の行いやすい標準物質であるtrans-stilben oxideを用いることにした。制御システムは、1にて開発した制御システムを利用することで対応することが出来た。
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