研究課題/領域番号 |
15360410
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
溝口 健作 静岡大学, 工学部, 教授 (60293601)
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研究分担者 |
山口 猛央 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30272363)
松井 誉敏 静岡大学, 工学部, 教務員 (80334960)
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キーワード | 膜のナノ構造 / ポリビニルアルコール / ケン化度 / ベンゼン / シクロヘキサン / 液体用分離膜 |
研究概要 |
ポリビニルアルコール(PVA)をベースとした有機液体用高性能分離膜を作製するため、膜のナノ構造制御について検討を開始した。その第1段階として、ブレンドによるPVAのケン化度制御と製膜、膜構造評価、ベンゼン(Bz)/シクロヘキサン(ChX)の50/50混合溶液を対象とした分離性能評価(浸透気化法)を行った。また膜強度向上の観点から、新たなPVA架橋方法について検討を行った。 1.市販の低ケン化度PVA素材をケン化して製膜し(単独膜)、上記混合溶液の分離について、ケン化度69%が好適であることを確認した。 2.2種の市販PVA素材をブレンドして平均ケン化度の異なる種々のPVAを調製した。ブレンドPVAから製膜してBz/ChX混合溶液分離を行ったところ、単独膜の場合と同様に、平均ケン化度69%の膜が高い分離性能を示した。 3.DSC測定により、上記それぞれの膜について結晶化度を推算し、ケン化度との関係を求めた。 4.材料試験装置(卓上型精密万能試験機)を購入し、引張試験により、上記それぞれの膜について引張強度とケン化度、結晶化度との関係を検討した。 5.上記それぞれの膜について、Bz/ChX混合溶液中での膨潤度を測定した。 6.以上の結果をもとに、膜のナノ構造制御の可能性、およびPVAのケン化度とBz/ChX混合溶液での分離性能との関係について総合的な検討を行ったが、これまでのところでは明確な結論を得るにいたっていない。 7.PVA膜の熱架橋条件について検討し、適切な架橋剤を混合することで比較的温和な条件での熱架橋とこれにもとづく耐水化が可能であることを確認した。
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