研究課題/領域番号 |
15360415
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
諸岡 成治 福岡大学, 工学部, 教授 (60011079)
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研究分担者 |
前田 英明 産業技術総合研究所, マイクロ空間化学研究ラボ, 副ラボ長 (60238871)
草壁 克己 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30153274)
仮屋崎 侃 福岡大学, 工学部, 教授 (10078652)
山崎 吉一 福岡大学, 工学部, 助手 (20122757)
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キーワード | マイクロチャンネル / 異相系流動 / 物質移動 / 化学反応 / シミュレーション |
研究概要 |
分離工程は化学プラントの重要な位置を占めるので、化学プラントのマイクロ化においては分離工程のマイクロ化が必須となる。吸着分離、膜分離はマイクロ化に極めて有効であるが、これだけでは不十分である。超小型化したプラントでは必ずしも装置を垂直に保てないので、重力の方向に依存しない、かつ2相流動型の「重力非依存型マイクロチャンネル分離装置」を開発することが必要となる.本研究では、蒸留、ガス吸収、抽出などの2相流を用いる分離装置をマイクロチャンネル内に形成することを目的とする。マイクロ形成技術を用いて2相流型マイクロチャンネル分離装置を作成し、流体-壁間の相互作用を制御する。また、マイクロチャンネル内の流動と物質移動を実験ならびにシミュレーションで明らかにし、目的の分離法に最適な流動パターンを実現する方法を見出す。 まず、細管内を流動する気液二相流動に及ぼす外部からの振動の影響を調べ、流動方向振動は気泡の合体を促進し、流動方向に直角な振動は圧力損失に自励振動を引き起こすことがある等を見出した。また、水平細管内の空気-水2相流の圧力損失、気泡速度、気液の分散状態(流動形態)の測定方法を開発し、細管で特有の性質を見出した。さらに、用いる液の物性、チャンネル入口の形状、2相の導入方法、チャンネル内の流量などによって、極めて均一な径を有する液滴の流れ、分散した径を有する液滴の流れ、連続膜状流れなどの多様な流れが生じることを明らかにした。均一な液滴となる条件、均一液滴径と諸因子との関係、液滴径に分布が生ずる理由、液膜状流れとなる条件などを取りまとめた。また、チャンネル内流れに対してシミュレーションを行い、実験データとの良い合致を見た。水相-有機相の2相流れで、有機相が一旦壁に付着し、その後に剥離して微小な均一液滴流れとなるには、チャンネル壁の親・疎水性が大きく影響していることを明らかにした。次年度はマイクロチャンネルで抽出、反応を行って、流動との関係を明らかにする。
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