研究課題/領域番号 |
15360420
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大嶋 正裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (60185254)
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研究分担者 |
加納 学 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30263114)
石川 健 三菱化学(株), 科学技術センタ, 研究員
木原 伸一 京都大学, 工学研究科, 講師 (30284524)
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / 液相浸漬法 / カーボンナノチューブ / 高分子表面改質 / 表面抵抗 / 近赤外分光法 / 導電性 / 高分子加工 |
研究概要 |
本研究の目的は、超臨界流体が「液相と同じくらい有機物質を溶かす」という溶媒として優れた性質を持っていること、ならびに高分子への二酸化炭素の収着現象を積極的に活かした新しい高分子のプロセシング手法を確立することにある。本年年度の主な成果は、次のようなことである。 近赤外分光プローブを備えた可視化窓付高圧セル装置を設計し、超臨界CO_2+プロパノール+有機物質系の高分子への拡散係数の測定可能とした。その結果、炭酸ガス単体の樹脂への拡散係数は、磁気浮遊天秤と同等の制度で測定できること、ならびに樹脂への超臨界CO_2を溶媒とする多成分系物質の高分子への拡散過程はフィック則には従わない可能性が高いことを示せた。また、超臨界CO_2と有機物質(具体的にはPEG、アルコール)の2相状態の液相側で、ポリマーに有機物質(PEG)を浸潤処理することにより、ポリマー表面をポリエチレングリコール(PEG)で親水化することを可能とした液相浸漬法をさらに発展させ、カーボンナノチューブを高分子成形体表面に吸着させ、高い表面導電性を生み出すことに成功した。具体的には、カーボンナノチューブを超臨界二酸化炭素とエタノールの2相平衡状態における液相側に分散させ、その液相側に高分子成形体を浸すことにより、エタノールを介して二酸化炭素がポリマーに溶解し、表面粘度を低下させるという可塑化現象を誘起し、カーボンナノチューブを表面に埋め込むことができるようになった。
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