研究課題/領域番号 |
15360420
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大嶋 正裕 京都大学, 工学研究科, 教授 (60185254)
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研究分担者 |
加納 学 京都大学, 工学研究科, 助教授 (30263114)
木原 伸一 京都大学, 工学研究科, 講師 (30284524)
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キーワード | 超臨界二酸化炭素 / ナノインプリンティング / 可塑化効果 / ナノセルラーフォーム / 微細転写 |
研究概要 |
本研究の目的は、超臨界流体が「液相と同じくらい有機物質を溶かす」という溶媒として優れた性質を持っていること、ならびに高分子への二酸化炭素の収着現象を積極的に活かした新しい高分子のプロセッシング手法を確立することにある。 本年度の主な成果は、次のようなことである。 1)二酸化炭素のプラスチックへの可塑化効果を活用し、従来の成形温度域よりも低い温度でプラスチック成形品の表層に、ナノスケールやマイクロスケールの微細周期構造を転写する成形加工技術(ナノインプリント技術)の開発を行った。その結果、従来の熱サイクル(温度の昇降操作)を利用したナノインプリント技術よりも室温に近い温度域での微細構造の転写が可能とできたほか、圧力サイクル(圧力の昇降操作)を用いるために、熱サイクルを用いた場合よりもサイクルタイムの減少、離形が容易である技術であることが明らかとなった。 2)さらに、ナノスケールの形状だけではなく、マイクロスケールのレンズ成形に応用することを試み、成形時間は5分に延びたが、成形可能であることが明らかになった。 3)また、PMMAとPSの共重合体が作るモルフォロジーとPMMAとPSへの二酸化炭素の可塑化効果の大きさの違いを利用し、数十nmの気泡径で、気泡数を10^<15>個/cm^3以上とし、透明なナノセルラー高分子膜を作ることに成功している。
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