研究課題
基盤研究(B)
二酸化炭素がポリマーに溶解したときに起こる可塑化効果ならびに液相と同じ暗い有機物質を溶かすという溶媒和効果を積極的に高分子加工に利用した新規な高分子成形加工技術を開発することを試みた。3年間の研究において、得られた成果は次の3つに大別できる。1)可塑化効果を利用して、染料、低分子有機物質、カーボンナノチューブ等のさまざまなものを高分子材料表面に拡散・収着させ、表面を改質(親水化・導電性)できる技術を提案した。また、現実の製造手法として、超臨界流体利用プラスチック表面加飾射出成形法(2法)を考案した。2)超臨界抽出技術では、アルコールをエントレーナとして用いることにより、二酸化炭素の溶媒和効果を向上させることが行われる。アルコール+二酸化炭素+低分子系の高分子材料への拡散機構を明らかにするため、近赤外分光法を用いて、高分子中への二酸化炭素・アルコールの拡散挙動を観測可能とする装置の開発およびその装置を用いた観測を行った。3)可塑化効果を利用して従来の成形温度域よりも低い温度でプラスチック成形品へ、ナノスケールからマイクロスケールに渡る微細周期構造を転写することを試み、従来の熱サイクルを利用したナノインプリント技術よりも室温に近い温度域での成形が可能な技術を考案した。このインプリント法は圧カサイクルを用いるために、熱サイクルを用いた場合よりもサイクルタイムの減少、離形が容易であるなどの利点がある。
すべて 2005 2004
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