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2003 年度 実績報告書

ポリアニオンナノシートを用いる新規固体酸触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 15360427
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京工業大学

研究代表者

原 亨和  東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (70272713)

研究分担者 野村 淳子  東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60234936)
キーワードポリアニオンナノシート / 固体酸 / 触媒
研究概要

本研究はカチオン交換性層状金属酸化物から得られる厚さ数nm未満のポリアニオンナノシートを高性能な固体酸触媒として展開することを念頭に置き、酸触媒反応に最適な2次元マクロポリアニオンナノシートを開発すると同時にポリアニオンシートの構造を解明することを目的としている。
十数種類のカチオン交換性層状金属酸化物の単結晶ポリアニオンナノシートを液相で剥離し、これを凝集させることによって得た高表面積の粉末材料を触媒としてさまざまな酸触媒反応が研究された。HTiNbO_5、HTi_2NbO_7、及びH_<1.15>Ti_<1.15>Nb_<0.85>O_5ナノシート凝集体はエステル化等の液相酸触媒反応において非常に強い固体酸触媒として働くことが既に見出されている。本年度の研究ではHNb_3O_8ナノシート凝集体が固体強酸として工業的に使われている含水ニオブ酸(Nb_2O_5nH_2O)を遥かに上回る酸触媒活性をもつことが明らかになった。
従来の手法、及び分光学的手法によってこのシート凝集体の酸性度は95%以上の濃硫酸に匹敵すること、更に2つのNb^<5+>に共有される酸素イオンと対になっているプロトン(Nb-(OH)-Nb)が強い酸として働くことが明らかになった。この表面種が強い酸点として働くことはこれまで知られておらず、全く新しいタイプの酸点といえる。
以上の結果はHNb_3O_8ナノシート凝集体が高活性固体酸触媒として工業化できるポテンシャルをもつことを示唆している。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] A.Takagaki, M.Sugisawa, J.N.Kondo, M.Hara, K.Domen, S.Hayashi: "Exfoliated Nanosheets as a New Strong Solid Acid Catalyst"Journal of the American Chemical Society. 104(4). 780-785 (2003)

  • [文献書誌] M.Hara, et al.: "To_3N_5 and TaON Thin Films on TaFoil"Journal of Physical Chemistry B. 107(48). 13441-13445 (2003)

  • [文献書誌] M.Hara et al.: "Unusual enhancement of H_2 evolution by Ru on TaON"Chemical Communications. 3000-3001 (2003)

  • [文献書誌] A.Ishikawa, A.Yamada, T.Takata, J.N.Kondo, M.Hara, H.Kobayashi, K.Domen: "Novel Synthesis and Photocatalytic activity of Oxysulfide"Chemistry of Materials. 15(23). 4442-4446 (2003)

  • [文献書誌] Chun, Ishikawa, Fujisawa, Takata, Kondo, M.Hara, M.Kawai, Matsumoto, Domen: "Conduction and Valence bands of Ta_2O_5, TaON, and Ta_3N_5 by UPS and Electrochemical Methods"Journal of Physical Chemistry B. 107(8). 1798-1803 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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