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2004 年度 実績報告書

組織化ナノ細孔を光触媒反応場とする高選択的有機合成

研究課題

研究課題/領域番号 15360430
研究機関大阪大学

研究代表者

平井 隆之  大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)

研究分担者 白石 康浩  大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 助教授 (70343259)
キーワード光触媒 / ナノ細孔 / 選択的物質変換 / チタノシリケート / 酸化チタン / ゼオライト
研究概要

酸化チタンを用いる光触媒反応の多くは、光吸収により触媒表面で生成した酸化力の強いヒドロキシルラジカル(・OH)が分子を酸化することにより進行する。しかしながら、・OHによる酸化の選択性は非常に低い。そのため、これまでに酸化チタンを用いる様々な光触媒反応系が提案されているものの、選択的な物質変換は困難であった。本研究では、メソ細孔を有する酸化チタン(mTiO_2)を水中に懸濁させ光照射を行うと、触媒表面へ吸着しやすい分子を優先的に反応させる特異な触媒機能を発現することを明らかにした。ラジカルスピントラップ剤を用いるESR測定により、触媒に吸着しやすい(細孔内に進入しやすい)分子ほど細孔内で生成した・OHと反応しやすく、逆に、触媒に吸着しにくい(細孔内に進入しにくい)分子は細孔内で生成した・OHと反応することができることを明らかにした。mTiO_2のこのような触媒機能は「吸着しやすい」分子を「吸着しにくい」分子へ選択的に変換することが可能である。例えば、ベンゼンを通常の酸化チタンを用いて光酸化すると、合成化学上非常に重要なフェノールを与えるが、逐次的な酸化を受けるためフェノールの選択性は低い(<10%)。しかしながら本mTiO_2触媒では、フェノールは触媒表面にほとんど吸着しないため、逐次的な反応が抑制され、フェノールが高収率で得られる(>81%)。この値はこれまでに報告された光触媒反応系の中では最も高い値である。熱触媒を用いた場合、このような高収率でフェノールが得られる系も散見されるが、いずれも高温・高圧下での操作が必要であるほか、貴金属の使用が不可欠である。本光触媒系は、「水」を酸化剤として使えるだけでなく、常温・常圧下での操作が可能であり、様々な物質変換反応に応用できると考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] チタノシリケート光触媒による分子サイズ認識型物質変換反応2005

    • 著者名/発表者名
      白石康浩
    • 雑誌名

      生産と技術 57・1

      ページ: 46-48

  • [雑誌論文] Size-Screening Photocatalytic Conversion within Titanosilicate Molecular Sieves2004

    • 著者名/発表者名
      Naoya Saito
    • 雑誌名

      Proceeding of The 4th International 21century COE Symposium on Integrated EcoChemistry(COE IEC IV)

      ページ: 90

  • [雑誌論文] Adsorption-Controlled Hierarchical Photocatalytic Activity of Mesoporous Titanium Dioxide2004

    • 著者名/発表者名
      Naoya Saito
    • 雑誌名

      Proceeding of The 5th International 21century COE Symposium on Integrated EcoChemistry(COE IEC V)

      ページ: 101

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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