研究概要 |
常温NOx還元に有効なヘテロ接合骨格を有する多孔体の合成法を検討した。まず、常温常圧で合成可能な層状複水酸化物、ハイドロタルサイトの陰イオン交換を利用して、種々の層間複合体の調製を試みた。ハイドロタルサイトの陰イオン交換によってPtCl_6^<2->、PdCl_4^<2->等を層間に導入し、貴金属アニオン交換体を調製した。PtCl_6^<2->交換体をH_2中300℃で焼成したところ、Ptの触媒作用により層間NO_3^-の還元除去が促進され、Ptが層間に析出した架橋構造体を形成した。得られた複合体がNO-H_2-O_2反応に有効な触媒になることを見出した。このほか、ハイドロタルサイトと陰イオン性Ti架橋剤との反応で得られる複合体の構造および細孔特性を調べた。加熱生成物TiO_2-Al_2O_3-MgOは400℃で最大値350m^2/gを示しミクロ孔特有のN_2吸着等温線を与え、触媒担体として有望である。 一方、本反応の電気化学デバイス化についても検討を進めた。150℃以下の低温では、H_2を還元剤とする選択NOx還元(NO-H_2-O_2反応)が進行することを利用して。本反応系と高分子固体電解質(SPE)膜とを組合せた常温作動型リアクタを提案した。SPE素子とPt-ZSM-5触媒とを組み合わせたリアクタを試作し、水素発生効率およびNOx浄化率などの基本的性能を評価した。電気化学セル(0.1%NO,0〜10%O_2,Pt|Nafion|Pt, H_2O)と担持Pt触媒とを組合せたリアクタについてNOx浄化特性を評価した。Pt電極表面上でのH_2-O_2反応はNOによって阻害されるという、NOx浄化に有利な効果が明らかになった。
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