研究課題/領域番号 |
15360437
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
竹山 春子 東京農工大学, 工学部, 助教授 (60262234)
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研究分担者 |
丸山 正 海洋科学技術センター海洋生態, 環境研究部, 主任
大河内 美奈 東京農工大学, 工学部, 助手 (70313301)
田中 剛 東京農工大学, 工学部, 助手 (20345333)
谷口 洋基 阿嘉島臨海研究所, 研究員
大森 信 阿嘉島臨海研究所, 所長
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キーワード | 海洋共生コンソーシアム / カイメン / サンゴ / 共在・共生細菌 / ナノビーズ / スクリーニング / 有用物質 / 海洋生物 |
研究概要 |
近年、海洋共生系は微生物の多様性、抗ガン剤・抗菌物質の新規性から新たなスクリーニング対象として注目されている。これまで、多様性の宝庫であるサンゴ礁生態系に生息する無脊椎動物等から医薬品、研究試薬となるような様々な天然物が見いだされてきた。しかし、堅い炭酸カルシウム骨格を有する造礁サンゴや無脊椎動物からの有用物質のスクリーニングにおいては大量のサンプルを必要とし、見出されている生理活性物質は少ない。さらに、共生の開始・保持するためのシグナル物質は未だ明らかとなっていない。そこで、本研究では、海洋共生系としてサンゴ、カイメンに焦点を当て、少量のサンゴ、海綿サンプルから単一細胞レベルでの微生物の分離・培養する技術を開発し、海洋共生コンソーシアムからの有用生体分子の活性評価を行うことを目的とする。 本年度は、沖縄阿嘉島に生息しているカイメンの共生コンソーシアムからセルソーターを用いて微生物を単一細胞レベルで分離し、分子系統的解析や、ゲノム増幅検討を行った。フローサイトメーターを用いてカイメン共在バクテリアをサイズ分画し、各画分に存在するバクテリアの解析を行ったところ、DGGE解析の結果、分画前のサンプルでは認められなかったバンドが各画分から認められ、多様な細菌の存在が明らかとなった。次に、モデル微生物としたシアノバクテリアのゲノムのMCA法による増幅を検討した。Synechocystis sp.PCC6803を遠心回収し5.0×10^5cellsに調整し、細胞破砕の条件として90℃で5min熱処理をした後に超音波処理を行った。sample bufferを加え、95℃で熱変性を行った後にreaction bufferおよびenzyme bufferの混合液を加え、30℃16時間インキュベートした。ITS領域をPCRによって増幅することでゲノムの増幅を評価した。その結果、シアノバクテリアゲノム約0.4ngに対するMDA産物からのITSの増幅において、シアノバクテリアに由来するバンドが認められた。このときコントロールとしてゲノム増幅していないサンプルにおいては、バンドが認められなかったことから、MDA法によりSynechocystis sp.PCC6803のゲノム増幅が行われたことが示された。
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