研究課題
持続的に発展する循環型社会の実現が求められてきている。宇宙開発においても、宇宙への輸送には多大なコストを必要とするため、宇宙活動の質を落とさず世界に伍したものとして持続的に発展させていくため、再生・循環型の宇宙システムへの構造転換を視野に入れた研究が重要と考えられる。ここでは、宇宙ロボットにより再生・循環型の宇宙システムの実現をサポートするための基礎技術を習得することを目的に、これに必要な人工知能技術とテレロボティクス技術の研究を行う。今年度の研究実績は以下のとおりである。1)再構成システムのためのロボットによる自律精密組立技術の開発ロボットによりシステムを再構成する際に問題となる、微小な機械的誤差や不確定性に起因する組立時スタック現象を作業現場(宇宙)で克服するため、反作用力をもとに探索し精密作業する技術を開発した。また、再構成・再利用が可能なセル型衛星モデル(再生・循環型宇宙システムの代表例として昨年度に試作)を対象とした組立実験を行い、開発した技術の有用性を実証した。2)意味的情報を利用した作業診断技術の検討ロボットによる作業理解やロボット間の教示技術の基盤として、行動の背景にある意味的情報を活用することによって合理的な作業診断を行う枠組みを検討し、そのプロトタイプを作成した。本枠組みは、人間による作業補助が困難な宇宙環境において、ロボットが自律で合理的かつ柔軟な作業理解と行動生成を実現するためのものである。本研究では、上記組立実験を対象とし、異常現象をそのときの作業文脈に応じて適切に解釈できることをシミュレーションによって示した。
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