研究課題/領域番号 |
15360447
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 展雄 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10171646)
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研究分担者 |
岡部 洋二 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90313006)
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キーワード | 複合材料 / 極低温 / 構造ヘルスモニタリング / 光ファイバ / FBGセンサ / 完全再利用型ロケット / ひずみ / トランスバースクラック |
研究概要 |
将来の宇宙輸送システムの一つとして、繰返し飛行が可能な完全再利用型ロケットが注目を集めており、その軽量化のために極低温推進剤タンクを複合材料で作製することが試みられている。ただし、複合材料の破壊のメカニズムは複雑であるため、その複合材料製タンクの健全性と信頼性を保証することが必要となる。そこで本研究では、複合材料製タンクに光ファイバセンサを組み込み、リアルタイムで健全性を監視できるヘルスモニタリング技術を構築することを目的とする。 具体的には、まず、フィラメント・ワインディングでCFRP複合材料タンクを作製する際に、光ファイバを内部に埋め込む。その際、埋め込みによる構造部材自身の特性への悪影響を低減させるため、新たに開発した細径光ファイバFBGセンサ(外径52μm)を用いた。通常径(外径150μm)FBGセンサも同時に埋め込み、相違を評価した。また、温度のみに反応する高分子チューブに入れたFBGセンサを考案し、これによって、力学的ひずみと温度を切り分けて測定することが可能となった。埋め込み手法の確立を試みる一方で、タンクのどの位置のどの層に埋め込むことがひずみや損傷の検出に最適なのかについても、FBGの応答を実験と解析の両面から確認することで検討した。 まず、フィラメント・ワインディング成形後の温度上昇、硬化過程中、降温過程中のモニタリングを行い、各種の成形条件が残留ひずみに与える影響を検討した。また、昇圧過程中にCFRP層内に発生するトランスバースクラックをFBGセンサ反射スペクトル測定により検出できることを示した。
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