研究課題/領域番号 |
15360449
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 明 大阪大学, 接合科学研究所, 助教授 (70110773)
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研究分担者 |
松村 年郎 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90126904)
片山 聖二 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (10144528)
平田 好則 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00116089)
小紫 公也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (90242825)
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キーワード | TiN皮膜 / ガストンネル型プラズマジェット / プラズマ反応溶射 / 高硬度 / 傾斜機能性 / 熱遮蔽膜 / ZrO_2-Al_2O_3複合皮膜 / 気孔率 |
研究概要 |
ガストンネル型プラズマ溶射、反応溶射により得られたセラミックス膜について、以下の結果を得た。 1.ガストンネル型反応溶射により作製したTiN膜は、窒化率が95%以上であり、酸化(TiO_2)を防止できた。また、窒化率は皮膜表面のほうが、基板付近よりも高い。 2.このガストンネル型反応溶射により作製したTiN膜においては、その断面のビッカース硬度はHν=1400程度である。また、画像解析システムにより測定した皮膜断面の気孔率は、トラバース回数の増加により低下するが、耐摩耗性が悪くなった。 3.TiN膜の機械的性質として引張試験により、皮膜界面近くの皮膜密着強度を調べた。その結果、皮膜厚さの増加(100μm以上)により、皮膜密着強度が低下することがわかった。 4.作動ガス中の窒素ガス混合率が増加するとTiN膜のビッカース硬度は高くなるが、破壊靱性が低下した。このとき、TiN膜の窒化率は上昇した。 5.550℃、2hの熱処理により、TiN膜断面のビッカース硬度は変化しないが、破壊靱性が高くなった。また、熱処理後のTiN膜に酸化物は認められなかった。 6.ガストンネル型プラズマ溶射プロセスの解明のためアルゴンプラズマの温度を測定し、溶射トーチ出口付近で約8000Kであることを明らかにした。また高速度カメラを用いて溶射粒子の速度がプラズマジェットの周辺で63m/sであることを確認した。 7.ZrO_2-Al_2O_3複合皮膜の表面高硬度層のビッカース硬さHν_<50>は、Al_2O_3混合率が増すにしたがい上昇するが、コーティング中の気孔率は、Al_2O_3混合率が増大すると減少し、5%以下となる。 8.傾斜機能ZrO_2-Al_2O_3複合皮膜断面においては、コーテイング表面側が緻密であり、気孔率は基板に近づくほど直線的に大きくなる。このコーティング表面側組織の緻密化は、優れた耐摩耗性とともに耐食性の向上に寄与するものと考えられる。
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