超軽量宇宙構造物の形状および振動の能動制御に関する研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15360451
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 大阪府立大学
• 研究代表者: 大久保 博志 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40094502)
• 研究分担者: 得竹 浩 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80295716) ; 下村 卓 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40243191) ; 東 久雄 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50316006)
• キーワード: 宇宙構造物 / 能動制御 / 知的構造システム / スマート構造 / 圧電材料 / 制御系設計 / 振動制御 / 異常診断

研究概要

宇宙アンテナの反射鏡など、極度に弱い支持構造を持つ超軽量構造システムに対して,アクティブ制御によってその剛性を保つとともに,振動の能動制御を行うスマート構造システムについての研究を行った.
1.スライディングモード制御によるスマート構造の制御に関する研究
柔軟構造物の形状と振動を制御するための制御系設計法に関する研究を行った.構造パラメータなどの不確定性に対して有効なロバスト性を有するスライディングモード制御系について研究し、離散系のシステム同定に基づく制御系設計法を開発した。
2.構造系/制御系の同時最適設計法の研究
BMI(双線形行列不等式)に基づく構造系と制御系の同時設計法についての研究、およびLMI(線形行列不等式)に問題を緩和して問題を解く方法についての研究を行った。
3.スマート構造の異常診断に関する研究
スマート構造の高信頼性を実現するため、制御系の異常診断法についての研究を行った。ERA法に基づくオンライン異常診断法について研究した。
4.実験室モデルによる制御実験
圧電素子/制御ユニットを装着したスマートビーム実験装置を用いて、振動制御実験を行った。はりモデルとしては、0.3mm×30mm×450mmのステンレス材を水平支持するものと、垂直懸架する装置の2種の実験装置を用い、スライディングモード制御による振動制御実験を行うとともに、異常診断システムのアルゴリズムの妥当性について検討した。

研究成果

• [文献書誌] H.Okubo: "Detection of Component Failures for Smart Structure Control Systems"JSME International Journal. C-46,3. 861-866 (2003)
• [文献書誌] H.Okubo, T.Matsudo, N.Katsuda: "Reduction of Control Torque for Space Manipulators Using Dynamic Manipulability Ellipsoid"Proc.of the 7th Int.Symposium on Artificial Intelligence, Robotics and Automation in Space : I-SAIRAS 2003. (CD-ROM). 1-6 (2003)
• [文献書誌] J.H.Kim, H.Okubo, H.Tokutake: "Simultaneous Optimal Design of Structural and Control Systems Based on BMI"Proc.of the 13th Int.Conf.on Adaptive Structures and Technologies. (Proceedings). 225-234 (2003)
• [文献書誌] 吉澤万水, 大久保博志: "固有値を用いたスマート構造物の異常診断"日本機械学会Dynamics and Design Conference 2002 CD-ROM論文集. Paper602. 1-4 (2003)
• [文献書誌] 古山寛一, 大久保博志: "圧電素子を利用した柔軟はりのスライディングモード制御(第2報、実験)"日本機械学会Dynamics and Design Conference 2002 CD-ROM論文集. Paper607. 1-4 (2003)
• [文献書誌] 金〓煥, 下村 卓, 大久保博志: "構造/制御系の同時最適化(逐次LMI化による最適化)"日本機械学会第8回「運動と振動の制御」シンポジウム講演論文集. 論文集. 154-157 (2003)