研究課題/領域番号 |
15360452
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
佐々木 進 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙情報・エネルギー工学研究系, 教授 (00092221)
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研究分担者 |
田中 孝治 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙情報・エネルギー工学研究系, 助教授 (90321570)
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キーワード | 薄膜太陽電池 / デブリ / マイクロメテオロイド / 高速衝突 / イジェクタ / 衝撃プラズマ / 伝搬 |
研究概要 |
薄膜の太陽電池、反射板、アンテナなど、宇宙の大型の薄膜構造物では、超高速のメテオロイドやスペメースデブリなどの宇宙浮遊物による衝撃破壊が高い確率で発生する。大型の薄膜構造物では、超高速の宇宙浮遊物による局所的な破損は不可避であることを前提として、局所的な衝突破壊を機能的あるいは運用上許容できるような設計が要求される。本研究は高速浮遊物による薄膜の破壊のメカニズムを調べるとともに破壊の伝搬を抑えその規模を低減するような薄膜の構造様式を見いだすことを目的としている。宇宙研に設備されているレールガン(高速電磁加速器)からの高速飛翔体(1g、4〜5km/s、ポリカーボネイト)を宇宙の薄膜構造物を模擬した薄膜ターゲットに衝突させ、その破壊の形態とイジェクタ(小破片、ガス、プラズマで構成される放出物)の性質(成分、拡がり方、二次破壊の規模)を調べた。イジェクタの計測手段として、高速度TVカメラ、プラズマプローブ、圧電素子を用いた。特に太陽電池やマイクロ波アンテナに対する電気的な影響の大きい衝撃プラズについて、(1)進行方向側に伝搬する衝撃プラズマの速度分布は弾の進行方向側に大きくシフトする、(2)逆進行方向側には衝撃プラズマは膜面に沿って伝搬する、という結果が得られた。特に(2)は従来予想されていなかった事象であり、太陽電池パネルの短絡破壊の観点から実用上重要な知見が得られたと言える。
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