研究課題
本年度は以下の作業を行った。1.内之浦局のVLBIシステムの整備JAXAの深宇宙探査機の追跡運用局である臼田64m局は、既にVLBI局として整備されており、NICT局との間で「はやぶさ」のVLBIデータを取得している。本年度、深宇宙探査機のバックアップ追跡運用局である内之浦34m局をVLBI局として整備した。探査機運用システムへの影響を少なくするため、低雑音増幅器の出力からカプラーで信号を取り出した。周波数帯は、X帯およびS帯が使用できる。VLBIデータの取り込み方式としては、臼田局と同様、NICTが開発したK5/VLBIシステムを採用した。また、K5/VLBI観測ソフトウェアと相関処理ソフトウェアを内之浦局のPCに実装した。2.試験観測2004年7月1〜2日、試験観測を実施した。参加局は、内之浦34m局、臼田64m局、NICT鹿嶋11m局であり、通信バンドはX帯である。(1)電波源での試験観測7月1日に7つの電波原を選び、観測した。その結果、電波原3C84の観測で、内之浦34m局と鹿嶋11m局との間で、フリンジ(干渉縞)が得られ、内之浦局のVLBIシステムが正常に動作することが確認された。(2)「はやぶさ」での試験観測7月2日に小惑星探査機「はやぶさ」の試験観測を行った。その結果、内之浦34m局と臼田64m局との間で、「はやぶさ」のフリンジを検出した。これにより、JAXAの惑星探査機の追跡局間で、初めての惑星探査機のVLBI観測が確認出来た。3.内之浦34m局測地VLBI実験11月1日〜2日に、NICT、国土地理院との共同で、内之浦局基準点位置を求める測地VLBI実験を行い、約1cmの精度で、局位置が測定出来た。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (2件)
14th Workshop on Astrodynamics and Flight Mechanics, A Collection of Technical Papers (印刷中)
第48回宇宙科学技術連合講演会講演集
ページ: 255