研究概要 |
本年度は以下の作業を行った。 1.内之浦局VLBIシステムのリモート化 定常的に観測をし、軌道決定をするためには、VLBI観測システムをリモート化し、自動的にデータ取得することができることは重要である。今年度は、昨年度整備した内之浦局のVLBIシステムのリモート化を計り、システムの電源のON/OFF、システムの周波数やIFレベルなどのパラメータ設定、IFレベルのモニタ、およびGPSと水素メーザのクロックの差のモニタを、ネットワークを経由して相模原から行うことを可能とした。 2.「はやぶさ」を対象とした試験観測 2005/5/30-31,6/28,30,7/1,2,4に、小惑星探査機「はやぶさ」のイオンエンジンの運用がない時期を利用して相対VLBI観測を行い、VLBI観測による結果と従来のレンジとドップラーデータによる軌道決定の結果との比較を行った。参加局は、臼田64m、NICT鹿嶋34m、国立天文台水沢20m、国土地理院4局(つくば32m、父島10m、姶良10m、新十津川3.8m)である。その結果、「はやぶさ」の出す信号の周波数範囲が重要であることが確認された。 そこで、以下の信号を用いたVLBI観測を行った。評価は続行中である。 8/11:「はやぶさ」レンジ信号のフィルタをはずした状態の帯域の広い信号 (参加局:臼田64m、内之浦34m、鹿嶋11m、父島10m、姶良10m) 9/11:JPLのDDOR用の信号(参加局:臼田64m、鹿嶋11m) さらに、11/4,12,19,25-26には、「はやぶさ」の小惑星itokawaへの接近にあわせ、VLBI観測を行った。 (参加局:臼田64m、内之浦34m、鹿嶋34m、鹿嶋11m、水沢20m、つくば32m、父島10m、山口大32m)
|