研究課題
木質系バイオマスとして杉及び竹、低品位炭としてアラスカ産のベルガ炭を試料とし、連続流通式熱水装置による加圧熱水条件下(室温→300℃、圧力15MPa)での改質実験を行なった。その結果、改質液に関して紫外部での吸収がみられ、竹は杉に比べて急激に吸収強度が強くなることがわかった。また、回収した改質液のTOC経時変化を測定した結果、紫外部における吸収強度との相関が見られ、TOCのオンラインによるモニタリングが可能であることが分かった。杉及びベルガ炭の混合試料を作成し熱水処理を行なった場合、TOCが低下する現象が見られた。その減少率を調べると混合比率により異なり、杉:ベルガ炭=1:1の時21%、1:2の時26.3%、1:4の時34.5%であった。これは、ベルガ炭が吸着剤として働いたためと考えられる。ガスクロマトグラフによる改質液のキャラクタリゼーションを行なった結果、杉混合比が高くなるにつれて乳酸、酢酸共に緩やかに上昇し、杉混合比が0.3以上のときTOCの中身はほとんど乳酸と酢酸(76%以上)であった。ICP-AESを用いて重金属の溶質挙動を調べた結果、Alは0.87ppm以下、Feは0.014ppm以下、Znは0.24ppm以下、それ以外は検出されなかった。スラリー化条件について検討した結果、10wt%で水に懸濁させた場合が良好なハンドリングを示した。改質液中に含まれるカテコール等のある種の芳香族化合物は強い還元力を持っており、Cr(VI)をCr(III)に還元することが分かった。
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資源・素材学会 春季大会講演集(平成17年度) (印刷中)
Proc.International Symposium on Green Technology for Resources and Materials Recycling
ページ: 349-355
Proc.2nd International Workshop on Earth Science and Technology
ページ: 249-254