研究課題/領域番号 |
15360475
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
新苗 正和 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50228128)
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研究分担者 |
水戸 義忠 京都大学, 工学研究科, 助手 (40229753)
青木 謙治 京都大学, 工学研究科, 教授 (80314227)
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キーワード | 汚染土壌 / 原位置 / 浄化 / 動電学 / 重金属 / カドミウム / 六価クロム |
研究概要 |
本年度は、重金属に汚染された土壌を対象に、電気による移流を動水勾配による移流へ変換した簡便な数値解析手法を開発し、その解析手法を利用して土壌物性の違い及び処理における操作因子が、動電学的土壌浄化技術による浄化に与える影響を検討した。また、実サイトを想定した浄化予測解析を行い、浄化期間と浄化コストから、動電学的土壌浄化技術の設計について考察した。その結果、以下のような知見を得ることができた。 1.動電学的土壌浄化技術は土壌の透水性に左右されず適用することができる。 2.動電学的土壌浄化技術に地下水揚水法を併用することによって、土壌透水係数が10^<-4>(cm/s)オーダー以上で顕著に浄化効率の改善が見られる。 3.不飽和土壌においては、動電学的土壌浄化技術の浄化効率が低下した。したがって高透水性の土壌に対しては動水勾配の併用等土壌の飽和度を向上させる工夫が必要である。 4.動電学的土壌浄化技術における電極配列は、例えば六角形型配列のように、総電極井戸数に対して陽極井戸数が多いほうが効率良く浄化を行える。 5.動電学的土壌浄化技術による浄化期間は、おおよそ電極間隔に比例し、電極間隔が大きくなると浄化期間は長くなる。 6.動電学的土壌浄化技術による浄化コストは、電極間隔が大きくなるほど小さくなる。 本年度に開発した簡便数値解析手法を用いて、重金属汚染土壌に動電学的手法を適用した場合の浄化プロセスおよび挙動を検討し、この浄化技術の有効性を示すことができたと共に、その設計に関しても考察した。この成果は、今後の動電学的土壌浄化技術の確立において、有効に利用されることが期待される。
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