研究課題/領域番号 |
15360476
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤光 康宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10264095)
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研究分担者 |
西島 潤 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40315114)
江原 幸雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10002346)
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キーワード | 微気象観測 / フーリエ変換赤外分光計 / 雲仙火山 / 赤外画像観測 / 放熱量調査 / 地熱流量係数 / リモートセンシング |
研究概要 |
本年度は、微気象観測システムの試作とテスト、及びフーリエ変換赤外分光計を用いたリモートセンシングによる大気中の水蒸気量の定量測定手法の改良、雲仙火山の赤外画像観測を行った。 微気象観測を目的とした連続観測装置は、市販品を見いだすことができなかったため、本年度に自作した。微気象観測システムは、地上高10cmから150cmまでの4か所の観測点間における微少な温度差と湿度差、また地上高1mにおける風速を可能な限り微弱な風まで測定する必要があるため、正確に測定できるまで何度も個々の要素の試作とテストを繰り返すことになり、当初計画よりもかなりの時間を要した。しかし、試行錯誤を繰り返しながら一つずつ問題を解決し、連続観測が可能な微気象観測システムを完成させ、テストを兼ねた九州大学箱崎キャンパス内における1週間の連続観測で正常に計測していることを確認した。本観測システムは、市販の気象観測機器を組み合わせたものよりかなり安価にできるため、火山地域のような劣悪な環境においても次々に更新することが可能になり、また複数台を広範囲に設置し、地熱流量係数の分布を把握することも可能となる。 フーリエ変換赤外分光計を用いたリモートセンシングによる火山噴気中の水蒸気と4種類の火山ガスの測定は、小野ほか(1999)により定量測定の基本部分が示されている。しかし、負のカラム濃度値が算出されることがあるなど、まだ改良すべき点があった。これらの原因として、ハードウェア的な問題によるインターフェログラムの偶非関数化、ターゲット測定とバックグラウンド測定との光源温度の違いの補正方法、水蒸気と1種類のみの火山ガスの対による火山ガス毎の定量化が考えられ、これらを解決することにより、これまでより安定した、高精度な定量測定を行うコンピュータプログラムが完成した。 雲仙火山の赤外画像観測は2003年8月に実施し、溶岩ドームの地熱異常面積及び溶岩ドームからの放熱量が共に減少していることを確認した。
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