研究課題/領域番号 |
15360476
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
藤光 康宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10264095)
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研究分担者 |
江原 幸雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10002346)
西島 潤 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40315114)
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キーワード | 微気象観測 / 赤外熱映像 / 放熱量測定 / 地熱流量係数 / リモートセンシング |
研究概要 |
平成17年度は、大分県玖珠郡九重町九重火山の小松地獄、熊本県阿蘇市の阿蘇火山、福岡県福岡市の九州大学箱崎キャンパスにおいて、本研究で製作した微気象観測装置による連続観測と観測結果を用いた地熱流量係数の算出を実施した。今年度は微気象観測装置の電源系統等に改良を加えたため、これらの地点における観測期間中は安定したデータ取得が行われた。 小松地獄における観測は平成17年8月8日から12日まで行われた。その結果、平成16年度の雲仙地熱地域における観測結果と同様に、地熱流量係数は短時間に大きく変化し、また昼間に大きく夜間に小さくなる日変化も見られた。阿蘇火山における観測は平成17年10月24日から28日まで行われた。阿蘇火山における地熱流量係数も短時間で変化し日変化も見られるものの、27日の昼間を除いて、同じ地熱異常地域である雲仙地熱地域や小松地獄の地熱流量係数の値に比較して全体的に小さい。九州大学箱崎キャンパスでの測定は、地熱異常の見られない通常の地域における地熱流量係数の変化を把握する目的で実施した。観測期間は平成17年6月2日から5日までで、その結果、上記の地熱異常地域とは異なり、地熱流量係数の日変化が不明瞭なだけでなく、変化の位相が地熱異常地域とは反対で、夜間の方が昼間よりも地熱流量係数の値が大きくなっている。 これらの結果より、地熱流量係数は時間と共に大きく変動することが判明したため、熱収支法による放熱量測定における過大評価・過小評価を避け、高精度にその値を見積もるためには、従来行われていた人力による微気象観測や簡易的な気象条件の観察ではなく、観測の機械化が必要であると考える。
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