研究課題/領域番号 |
15360488
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
石井 亀男 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (10015844)
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研究分担者 |
斉藤 輝雄 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (80143163)
片沼 伊佐夫 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 助教授 (70134202)
吉川 正志 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (00272138)
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キーワード | プラグポテンシャル・バウンスイオン / 電位閉じ込め / タンデムミラー / 径方向電場 / 径方向輸送 / ピッチ角指定小型高効率エネルギー分析器 / 金中性粒子ビームポローブ / 同軸分離型エンドプレート |
研究概要 |
当該研究は、タンデムミラー型磁場閉じ込め装置を用いた、主として非軸対称磁場配位を持つアンカー部と局所高電位発生部であるプラグ/バリア部(軸対称磁場)での、径方向電位分布の制御を包含した閉じ込め電位形成に対するイオン輸送の研究を目的としている。セントラルソレノイド部からアンカー部を通過し、プラグ/バリア部の内側ミラースロート(IMT)の手前で反射するIMTバウンスイオン、IMT部を通過しプラグ電位(PP)で反射するPPバウンスイオン、プラグ電位を乗り越えプラグ/バリア部の外側ミラースロート(OMT)とプラグ部との間で反射するOMTバウンスイオンが存在する。プラズマのほぼ両端を往復し、電位により閉じ込められたPPバウンスイオンを安定に存在させることは、タンデムミラーの閉じ込め向上に必要不可欠である。セントラルソレノイド部中央面で円形の磁力管断面は、アンカーミラー部では0.999819の離心率を持つ楕円になり、平衡状態からの微小変化として磁力管と等電位面とにずれが発生し易いため、ずれに対するPPバウンスイオンの粒子軌道への影響を検討した。その結果、径方向電場が緩和されるほど軌道への影響が少なくなることを見出した。PPバウンスイオンは、IMT部に設置したピッチ角と同時にイオンエネルギーを選定し得る、新たに開発されたピッチ角指定小型高効率エネルギー分析器により、直接観測された。 バウンスイオンとの対応を調べる為、電位及び磁場の何れの壁にも反射されることなく中央ソレノイド部から流出する端損失イオンに注目し、端損失イオン速度分布関数測定器(ELECA)を用いて測定した。速度空間内の捕捉領域境界近傍に位置するバウンスイオンのエネルギー分布関数と、損失領域境界近傍の端損失イオンのエネルギー分布関数とを比較検討し、同傾向になることを確認した。また、セントラル部で発生したアルヴェン・イオンサイクロトロン(AIC)揺動に起因する捕捉イオンの速度空間内でのイオン輸送を、捕捉及び端損失イオンの揺動測定の観点から明瞭にした。 同軸分離型エンドプレートの径方向電位を変化させることにより、コアプラズマの電位の径方向分布を制御した。コアプラズマの径方向電位分布は、新設された金中性粒子ビームプローブ(GNBP)により測定され、電位分布とバウンスイオンとの関連性が示された。
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