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2003 年度 実績報告書

大型超伝導コイルに発生する不規則な交流損失の原因究明

研究課題

研究課題/領域番号 15360491
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東北大学

研究代表者

濱島 高太郎  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00314815)

研究分担者 高畑 一也  核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (10216773)
津田 理  山口大学, 工学部, 助手 (10267411)
谷貝 剛  東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60361127)
キーワード交流損失 / 不規則結合損失 / ケーブル・イン・コンジット(CIC)導体 / 長時定数 / サブケーブル / 撚り乱れ / 接触抵抗 / 素線配置
研究概要

大型超伝導コイルに用いられるケーブル・イン・コンジット(CIC)超伝導導体では,変動磁場に対して,撚りピッチの2乗に比例する時定数を持つ通常の交流損失のほかに,10〜100秒程度の長時定数を持つ不規則なループによる交流損失の発生が確認された。ケーブル内の素線の配置は,各サブケーブルの撚りピッチの最小公倍数の長さで,同じパターンが繰り返されるため,ある点で接触した素線は,最小公倍数の長さで再度接触して長いループを構成する。これらのループの時定数はインダクタンスとループを構成する素線間の接触抵抗の比で表される。
実際に使用したCIC導体の素線間の接触抵抗を測定した結果,接触状態が弾性変形範囲にあるときの接触抵抗は50〜100μΩ程度で,塑性変形を起こす圧縮力を加えると5〜7μΩ程度まで減少し,1桁少なくなった。測定した塑性変形の接触長さは0.2〜0.3mmであり,弾性理論による接触長さが約20μmであることを考慮すると,接触長さの増大に伴い接触抵抗が減少することが分かった。一方,CIC内の長ループのインダクタンスは10μH程度であるので,ループ時定数は,弾性変形で約0.1秒程度,塑性変形で約1秒である。これらは観測された数10秒の時定数より短い。
この原因と考えられる素線間の接触状態を観測するために,各素線のケーブル内の配置を調査した。その結果,本来3本の素線が撚られて一体化していると予想していた1次撚り線が,実際には,本来の位置から大きく変位している素線を持つものがあることを観測した。定量的に検討するために,1次撚り線で囲まれる三角形の領域内に他の素線が大きく変位して入る数を調べた。5種類のCIC導体の調査結果から,大変位をする素線の割合が平均的に約5%程度あることが分かった。この大変位した素線は,一般的に1m程度離れると,元の一体化された1次撚りとなる。したがって,このような大変位した素線がループを構成する場合には,点接触でなく長距離にわたる線接触の状態を形成し,長時定数ループが生成されると推定される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Hamajima, et al.: "Irregular AC Losses with Long Time Constants in Large Cable-in-Conduit conductor"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. 13・2. 2384-2387 (2003)

  • [文献書誌] 帆足和也, 濱島高太郎他: "ITER-CSモデルコイル用大型CIC導体の撚りピッチと素線配置に関する研究"第69回秋季低温工学・超電導学会講演概要集. 1. 159 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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