研究課題/領域番号 |
15360495
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研究機関 | 核融合科学研究所 |
研究代表者 |
伊藤 公孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
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研究分担者 |
佐貫 平二 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80109355)
洲鎌 英雄 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80202125)
登田 慎一郎 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (60332186)
藤堂 泰 理論シミュレーション研究センター, 助教授 (00249971)
福山 淳 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60116499)
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キーワード | 核融合燃焼プラズマ / 輸送理論 / 長い空間相関を持つ揺動 / 核融合反応の乱流輸送効果 / メゾスケール揺動 / 高エネルギー粒子 / 帯状流 / 輸送分岐理論 |
研究概要 |
この研究の目的は、核融合自己点火状態にある磁場閉じ込めプラズマの輸送現象の理論的な基礎を形成することである。特に、核融合燃焼状態のプラズマが、現在のプラズマと比較し、質的な相違を示しうるものと考え、その点に着目して核融合燃焼プラズマの輸送理論の基礎を構成することを目指す。 当初の計画に述べた、多次元の複雑なプラズマ構造中で高エネルギー粒子のダイナミクスを精密に解析する手法や自己維持乱流を解析するための理論手法に基づいて、核融合燃焼プラズマの輸送理論の基盤を開拓することができた。とくに微視的乱流と巨視的構造をつなぐ間のスケールであるメゾスケール揺動として帯状流の重要性に焦点を当て、研究を推進した。裸の乱流のみを取り入れた輸送理論の問題点を克服し、従来の謎をいくつも解決することができた。また、巨視的な系電場、メゾスケール帯状流、無衝突粒子ダイナミックスが結合した新しい輸送分岐を理論的に明らかにした。 本年度はこの計画の最終年度にあたる。以上のように、核融合反応生成物の輸送、核融合反応による乱流輸送への影響、長い空間相関を持つ揺動の効果、新しい輸送分岐理論、という観点について、当初の計画目標を満たす成果が得られた。特に、多スケール乱流とその輸送に関する研究については、新たな理論の方法論が必要であったが、それについて体系的な成果を上げることができた。全体として、当初の計画目標を大幅に上回る成果である。
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