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2003 年度 実績報告書

加速照射試験効果の機構論モデルに基づく評価手法開発と実機材料適用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15360500
研究機関東京大学

研究代表者

関村 直人  東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10183055)

研究分担者 岩井 岳夫  東京大学, 原子力研究総合センター, 助手 (30272529)
阿部 弘亨  東京大学, 原子力研究総合センター, 助教授 (40343925)
キーワード損傷速度 / 加速照射効果 / オーステナイト鋼 / 中性子照射 / イオン照射 / 転位ループ
研究概要

高純度のオーステナイト鋼モデル合金の中性子照射を損傷速度が8.9x10^<-9>dpa/secから1.7x10^<-6>dpa/secの間で行った。2サイクルまでの積算損傷量は0.23dpa〜67.8dpaで、照射温度は389℃? 444℃の範囲であった。この結果、低損傷速度では転位組織発達が促進されるが、これは低損傷速度で転位ループ成長が促進されたためであり、特に転位ループ数密度は損傷速度の1/2乗に比例して飽和し、転位ループ径は損傷速度の-1/2乗に比例することが確認された。しかし高い積算線量では、転位ループがアンフォールトしネットワーク転位となるため、ループ数密度は減少する。長期間の照射で転位ループが成長・アンフォールトする過程では、総転位密度の損傷速度依存性をモデル化する必要があることが、明らかとなった。
一方、同一ロットの単純モデル合金を1.0x10^<-4>dpa/secから1.0x10^<-3>dpa/secの間の3種類の異なる損傷速度で重イオン照射した場合には、転位ループが十分に成長せずアンフォールトがほとんど起こらないが、低い損傷速度で転位ループ形成が促進されることが評価された。
また、格子間原子に対してバイアスを持ったシンクである転位組織発達は、低損傷速度で促進されることによって、格子間原子をより多く吸収するシンクが増加する。このため、キャビティ形成及び成長が促進され、低損傷量からスエリングが増加する。しかし、いわゆる定常スエリング率1%/dpaは損傷速度によらないが、定常スエリングに至るまでの潜伏線量は損傷速度の影響が強く、ほぼ1乗に比例して低損傷速度で小さくなることがわかった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] F.A.Garner, N.Sakimura et al.: "The Surprinsingly Large Influence of Displacement Rate on the Swelling of Pure Metals, Fe-based FCC and BCC Alloys, and Vanadium Alloys"Journal of Nuclear Materials. (In press). (2004)

  • [文献書誌] T.Okita, W.G.Wolfer, F.A.Garner, N.Sekimura: "Dose Rats Effects in the Microstructural Evolution and on Swelling in Simple Austenitic Steels"Philosophical Magazine A. (In press). (2004)

  • [文献書誌] Y.Yang, H.Abe, N.Sekimura: "Behavior of Frank Loops under Stress Environment"Physics Letters A. 315. 293-300 (2003)

  • [文献書誌] Y.Yang, N.Sekimura, H.Abe: "MD Simulation of the Behavior of Small Dislocation loops in Irradiated metal during Deformation"Fusion Science and Technology. 44. 460-464 (2003)

  • [文献書誌] S.Shimakawa, N.Sekimura, N.Nojiri: "NPRIM Computer Code of Neutron Dose Calculation for Radiation Damage Estimation"Proceedings of the 11^<th> International symposium on Reactor Dosimetry. 283-288 (2003)

  • [文献書誌] 関村 直人: "材料照射劣化における階層性と照射相関"フォーラム保全学. Vol.1, No.3. 73-78 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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