研究課題/領域番号 |
15360503
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
賞雅 寛而 東京海洋大学, 海洋工学部, 教授 (20134851)
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研究分担者 |
元田 慎一 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (10190969)
波津久 達也 東京海洋大学, 海洋工学部, 助教授 (60334554)
植松 進 海上技術安全研究所, 輸送高度化研究領域, 上席研究員
岡本 孝司 東京大学, 大学院・光学系研究科, 教授 (80204030)
古谷 正裕 (財)電力中央研究所, 原子力システム部, 主任研究員 (80371342)
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キーワード | 原子炉防食 / ステンレス / 応力腐食割れ / 放射線誘起表面活性 / メカニズム / 酸化金属皮膜 / 放射線 |
研究概要 |
本基盤研究では、原子炉防食、特にステンレス材料の応力腐食割れ防止に必要な放射線誘起表面活性メカニズムの解明及び適切な酸化皮膜の基礎開発を行った。その成果は、文献1-5にまとめられているが、平成15年度に引き続き、放射線誘起表面活性によって腐食損傷の防止効果が確認され、原子炉内のγ線と炉内構造材・被覆材として用いられているSUS、ジルカロイを利用する伝熱管損傷・腐食損傷防止技術の基礎が確立された。ここで例えば、BWR一次冷却水(炉水)環境では、放射線分解により生成される溶存酸素が炉水内に一定量あるために、腐食反応を支えるカソード反応は溶存酸素還元反応となり、この還元反応と金属溶解反応としてのアノード反応から定常腐食電位が決定されている。炉内構造物表面の酸化金属被膜(SUS、ジルカロイなど)がγ線と反応して、放射線誘起表面活性が生じることにより、新たなアノード反応として低電位で進行するので、通常のカソード防食と同様に、腐食電位を低下でき、また原子炉安全上大きな課題となっている応力腐食割れを抑制することになる。このような技術は特に原子炉高経年化使用において、また近年社会的問題になった原子炉構造物のひび割れ防止に重要な開発を急ぐ必要のある技術であり、本基盤研究成果の寄与は非常に木きい。また平成16年度は、弱旅射線環境下の対応として、基盤を放射化した自励防食効果を確認している。 これまで原子炉内腐食防止方法の多くは、近年導入された貴金属注入抵を初めとしていずれも海外先進国によつて開発されており、本国の原子炉技術はそれらの国外技術に依存しているが、この新しい原子炉内の構造物腐食防止方法は、エネルギー環境技術として我が国の技術水準を向上させ、また世界に貢献できる重要な手段になると期待される。
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