研究課題/領域番号 |
15360508
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
大貫 敏彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究主幹 (20354904)
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研究分担者 |
尾崎 卓郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究職 (50322673)
坂本 文徳 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 研究職 (60391273)
南川 卓也 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, 博士研究員 (30370448)
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キーワード | Pu / 硫酸還元菌 / 還元 / 電子授受 |
研究概要 |
硫酸還元菌によるPu(IV)のPu(III)への還元挙動について検討した。Pu(IV)は溶解度が極めて低いためクエン酸によりキレート錯体化させたPu(IV)について実験を行った。バクテリアと接触させたPu溶液のTTA抽出により水相と有機相に分離したPuの結果から、バクテリア、AQDS、乳酸のいずれも含まない無菌培地中に含まれるPuをTTA抽出した場合、85%以上のPuがPu(IV)であると考えられた。D.desulfuricansと接触させ、遠心分離後に上澄みをCr_2O_7^<2->で処理した後の溶液をTTA抽出したところ、有機相に含まれるPuの割合が10.2%増加した。また、AQDSや乳酸を添加した系もCr_2O_7^<2->で処理した場合にTTA抽出されたPuの割合はCr_2O_7^<2->で処理しなかった系と比べて5〜10%増加した。また、バクテリアと接触させたすべての実験系でPu(III)、Pu(IV)どちらにもあてはまらないPuが30〜50%存在した。これらの結果から、硫酸還元菌はPu(IV)をPu(III)に還元する可能性があることが明らかとなった。上澄み液をCr_2O_7^<2->で処理したときにTTA抽出で有機相に移動したPuの割合が5〜10%増加したことから、その割合でPu(IV)がPu(III)に還元されたと考えられる。乳酸やAQDSを添加した系でのPu(IV)からPu(III)の還元率はそれらを含まない場合とほとんど変わらなかった。このことからD.desulfuricansによるPu(IV)の還元に対して、これらの電子供与体や電子受容体が及ぼす影響は小さいと考えられる。
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