研究分担者 |
佐藤 信博 黒崎播磨(株), ファインセラミクス事業部PFCグループ, グループ長(研究職)
安藤 秀征 黒崎播磨(株), 技術開発企画部, 担当部長(研究職)
清水 研一 新潟大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60324000)
水野 修 住友電工(株), 伊丹研究所プロジェクト推進部, 主査(研究職)
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研究概要 |
本研究は,世界のサンベルトで得られる中・高温の太陽集熱を水素に転換する2つの反応プロセスについて高活性触媒デバイスを開発することである。 1.高温用プロセスとして「反応性セラミックの1400℃/1000℃サイクル反応による水の熱分解」を検討した。我々が開発したCoフェライト(反応体)/ジルコニア(担体)体を基軸に反応性セラミック微粉体の開発を行った。 (1)最適なCoドープ量とフェライト担持量を決定し、さらに第三金属成分としてMnのドープ効果を検討した。その結果,適量のMnドープがフェライト還元相(FeO)の融点を高めて高温溶融による粒成長を緩和し,反応性セラミックのサイクル反応性が向上することが分かった。 (2)担体を単斜晶ジルコニアから立方晶安定化ジルコニアにすると,還元相のFeOが安定化ジルコニアに固溶し,水分解時にはフェライトが担体上に微粒子として析出する反応機構をとる。これによってファライトの粒成長が効果的に緩和され,サイクル反応性が大きく向上することが分かった。 2.中温用として「メタンの吸熱改質反応による水素製造」を検討した。我々が開発したRu/Al_2O_3/金属発泡受光体について,太陽光シュミレータを用いて小型改質器で反応試験を行った。 (1)従来のセラミック発泡受光体と比較して,本研究の金属受光体はコスト面,成形性,耐熱衝撃性でより優れている。今回さらに,本金属受光体は熱伝導率が高いため,受光面の照射太陽エネルギー密度が不均一であっても受光面温度を均一化して全面で高い反応効率を発現できることが出された。 (2)受光体の直径を3.8cm,発泡体セル数を20セル/インチまでスケールアップして反応試験を行い,太陽/化学エネルギー転換率が50〜60%という良好な効率を得ることができた。大型化すればさらに効率が上がることが期待できる。
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