研究課題
昨年に引き続き、昆虫のテロメア反復配列にだけ転移するLINE(SART)をテロメアに転移させ効率的に検出する系を用い、LINEの転移に必須と考えられる機能領域を解析した。1 ORF1内部の機能解析LINEがゲノムDNAに転移するには細胞質から核への移行が必要であるがそのメカニズムはわかっていない。in vivo転移アッセイにより機能構造を解析した結果、C末端部分のZnフィンガーが転移に必須であり、ORF1同士の相互作用とRNAへの結合に必須であることが判った。さらに、ORF1内部にはテロメア結合に必須な領域が存在することを生化学的解析により明らかにした。2 逆転写ドメインの機能領域LINEの転移は標的DNAの切断と同時に逆転写がおこることから、レトロウィルスやLTR型レトロトランスポゾンとは異なる性質の逆転写酵素をコードしている可能性が高い。バキュロウィルス感染細胞から細胞抽出液を調製したin vitro転移系を利用し、逆転写酵素活性に必要な領域の機能領域の解析を行った。3 ENドメインの機能構造の解明LINEの転移の第一段階である切断を起こすENドメインの機能構造を解明するために、テロメアに特異的に転移するSART1のエンドヌクレアーゼ領域を大腸菌で発現させ、結晶構造を解明した。進化的に近縁なAPエンドヌクレアーゼとは異なった特異的なループ構造が見られ、生化学的解析の結果とあわせ、部位特異的な切断に関わる機能構造をほぼ明らかにした。
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