研究概要 |
3年間の研究は,まずH15年度は主にマウスの初期胚(1細胞期から2細胞期)にポリA鎖を伸長するマウス母性RNA群を濃縮する新規なcDNA Libraryの作成の方法論の開発に心血を注ぎ,H16年度はこれを確実な技術とすると同時に,そのcDNA塩基配列解析を行った,H17年度はそのcDNA群をさらにRNAブロットにより分析し埴接関齢文を2報公刊した. 1)1039クローンのcDNA塩基配列を決定し、データベース検索に基づいて遺伝子を同定した。その結果、まず111クローンはMammalian apparent LTR-retromnsposon(MaLR)のげっ歯類サブファミリーであるMTaであることが判明した。それ以外は通常のmRNAであり,マウス初期胚でポリA鎖の伸張を示す母性RNAは特定の遺伝子には偏っておらず、また多種多様な遺伝子産物をコードしていることが判明した. 2)伸張の様式には何種類あって、どのようなグループに分類されるかをRNAプロット法により検証した。材料の制約は,高放射能活性のヌクレオチド三燐酸を使用し、10-30個の受精卵で十分な技術的な改良も進めた.解析結果は,まず1)のライブラリーの信憑性が確認され、また20遺伝子の解析からそのパターンは大まかには7種類に分類されることがわかった。この成果も研究期間内に発表することができた. 3)交付申請時には対応遺伝子の染色体上の位置もできるだけ正確に求め、その特徴を解析し、またRNA導入系で伸張に必要なcis elementを求め、さらにXenopus等、他の生物種での知見と比較、検討する、としていたが、残念ながら共同研究者転出により、この点は果たせなかった。
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