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2003 年度 実績報告書

クロロフィル代謝の遺伝子の網羅的単離と緑葉の枯死と常緑化の制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15370015
研究種目

基盤研究(B)

研究機関北海道大学

研究代表者

田中 歩  北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10197402)

キーワードクロロフィル / 代謝 / 光合成 / 光エネルギー / 発育
研究概要

クロロフィルは光エネルギーを捕捉し、化学エネルギーに変換することによって、植物のエネルギー代謝の最も中心的な役割を果たしている。しかし、クロロフィルの合成と分解は単にエネルギー代謝に必要なクロロフィルの供給に限定されているのではなく、緑葉の細胞死(leaf lethal、枯死)と常緑化(Stay green)の現象に深く関わっている。これらの現象は、クロロフィル合成や分解の中間代謝物が、活性酸素を発生させ細胞死を引き起こすこと、またクロロフィルの分解の抑制が、植物の老化自体を遅延させることに原因している。植物は、この二つの機能を利用して、緑葉の枯死とStay greenを制御している。本研究の目的は、(1)クロロフィルの合成と分解、おびそれらを調節する遺伝子を網羅的に単離し、(2)それらの遺伝子の緑葉の枯死とStay greenに対する役割を明らかにし、(3)将来の農学的な応用の基盤を作ることである。
1.PaO遺伝子の単離
本年度は,クロロフィル分解系で,最も重要と考えられている、クロロフィル分子の開裂酵素,Pheophorbide a oxygenase(PaO)の遺伝子の単離を試みた結果、細胞死と関連すると考えられてきた遺伝子、lls1(lethal leaf spot 1)がPaOであることをつきとめた.このことは、クロロフィル分解系が細胞死と強く関わっていることを示している.しかし,PaOの変異株は、常緑(Stay green)の形質を示すと考えられてきたが、シロイヌナズナにおいてはこの形質は示さなかった.
2.クロロフィル合成遺伝子、Divinyl protochlorophyllide a reductaseの単離
シロイヌナズナのスクリーニングを進めた結果、Divinyl chlorophyllを蓄積する変異株の単離に成功した.現在遺伝子の単離を行っているところである.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Duncan J, Bibby: "Exploring the ability of chlorophyll b to bind to the CP43' protein induced under iron deprivation in a mutant of Synechocystis PCC 6803 containin"FEBS Lett. 541. 171-175 (2003)

  • [文献書誌] Tanaka, R: "The Arabidopsis-accelerated cell death gene ACDI is involved in oxygenation of pheophorbide a : Inhibition of the pheophorbide a oxygenase activity does not lead to the "stay-green" phenotype in Arabidopsis"Plant Cell Physiol.. 44. 1266-1274 (2003)

  • [文献書誌] Nagata N: "Domain structures of chlorophyllide a oxygenase of green plants and Prochlorothrix hollandica in relation to catalytic functions."Planta. (In press). (2004)

  • [文献書誌] Tanaka, A: "光合成エネルギー捕捉装置の調節"J.Appl.Glycosci. 50. 507-508 (2003)

  • [文献書誌] 田中 歩: "クロロフィル代謝と植物の発育"化学と生物. 42. 93-98 (2004)

  • [文献書誌] 光合成研究会: "光合成事典"学会出版. 410 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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