研究課題
基盤研究(B)
高等植物葉緑体の転写産物は、CからUへのRNAエディティングにより配列の一部が変換する。この反応はmRNA中のシチジン残基の約1000個に1個を正確に認識する必要がある。この部位認識機構の解明を目指し、以下の成果を得た。1.葉緑体調製法の改良RNAエディティングのトランス因子を調製するために、多量のタバコ葉よりシヨ糖ステップグレジェント遠心法で安価で短時間で調製可能となった。無傷葉緑体の検定にはドイツ側の助言を得た。2.In Vitro RNAエディティング系の改良以前に開発したin Vitro RNAエディティング系はP32標識mRNA基質を用いるため煩雑であった。そこで、蛍光標識による新しい活性測定法の開発に成功した。この系を用いて、タバコ葉緑体のNADH脱水素酵素サブユニットのmRNAのエディティング効率を測定した。その結果、ndh-2の30%という高い効率から活性のほとんど検出できないものまであった。このうちndh-2とndhFのエディティングのシス配列をそれぞれ10〜6ヌクレオチドの1ヶ所、ndhF mRNAでは40〜36と15〜6ヌクレオチドの2ヶ所がシス配列と同定した。シス配列が2ヶ所に分かれるのは初めての例で、エディティング機構の新しいモデルを考察した。3.エディティング部位の認識因子の単離In vitro活性の最も高いタバコ葉緑体psbE mRNAに対する56kDaのトランス因子を12kgのタバコ葉より調製し、ゲル電動泳動で相当バンドを切り出し、MS/MS法で部分アミノ酸配列を決定した。BLAST探索で対応する配列が見出せなかったので、タバコ固有のタンパク質と考えられる。4.部位認識因子の同定タバコ葉緑体ndhFとrpoBのmRNAエディティングのトランス因子をUVクロスリンク法で各々82kDaと60kDaと同定した。
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