研究課題
基盤研究(B)
申請者らは、同形配偶子生殖の真正粘菌Physarum polycephalumを用いて、接合子内で片親由来のミトコンドリア核(mt核,DNAタンパク質複合体)が選択的に分解され、mt核を消失した片親由来のミトコンドリアは、30時間以上を経過してようやく分解されることを15年度に明らかにしている。ミトコンドリア母性遺伝機構を解明するために、1)mt核の選択的消失に直接関わるヌクレースを単離し、2)片親のミトコンドリアあるいやmtDNAに対するその選択性がいかにして発揮されるのかを調査した。ミトコンドリアの崩壊が先だとすれは、母性遺伝の選択性は、雄性ミトコンドリア崩壊を選択的に誘起する酵素群にあることになる。その意味で、mt核の消失が先か,ミトコンドリアの崩壊が先かは極めて重要な問題であり、多くの生物を用いて詳細に検討する必要がある。mt核が容易に観察できる真正粘菌に加え、ヒラアオノリUlva compressaやヒロハノマンテマSilene latifeliaを用いて、mt核消失とミトコンドリア崩壊の時期を特定した。16年度は、ミトコンドリアの遺伝様式ともに雄性ミトコンドリアの排除機構の変遷を分子細胞形態学的に解析するために、1)従来用いられていたmtDNAのRELPの他に定量PCR法によってミトコンドリアの遺伝様式を詳細に再検討し、2)配偶子形成と接合子過程における雌雄ミトコンドリアの挙動(mt核の選択的消失)とミトコンドリア崩壊の時期的関係を蛍光抗体染色法で詳細に観察した。また、3)真正粘菌でmt核の選択的消失に直接関わると予測されるヌクレースとその選択性をアッセーするシステムを、雌雄の単離ミトコンドリアやmt核あるいはmtDNAを用いて構築した。特に、真正粘菌のミトコンドリアの片親遺伝を誘発するMn^<2+>要求性のヌクレースの単離精製をめざした。また、ミトコンドリア核タンパク質(Glom)の挙動に注目して、mt核消失とヌクレース活性、ヌクレースの選択性と出現時期、mt核消失ミトコンドリアの細胞内分布などを調べた。
すべて 2006 2005 2004 2003
すべて 雑誌論文 (54件) 図書 (11件)
Phycol. Res. 53
ページ: 75-84
ページ: 85-91
Curr. Genet. 47
ページ: 100-110
Plant Cell Physiol. 46
ページ: 806-811
Planta 47
ページ: 93-96
Protoplasma 226
ページ: 207-216
Curr. Genet. 48
ページ: 334-343
Genes Genet. Syst. 80
ページ: 395-401
ページ: 403-413
Phycol.Res. 53
Curr.Genet. 47
Curr.Genet. 48
Genes Genet.Syst. 80
J. Phycol. 40
ページ: 546-556
Plant Cell Physiology. 45
ページ: 795-802
Fung. Genet. Biol. 41
ページ: 805-812
Curr. Genet. 46
ページ: 103-114
J. Plant Res. 117
ページ: 257-264
Sex Plant Reprod. 17
ページ: 189-193
Folia Microbiol. 49
ページ: 441-451
遺伝 58(3)
ページ: 17-19
J.Phycol. 40
Plant Cell Physiology 45
Fung.Genet.Biol. 41
Curr.Genet. 46
J.Plant Res. 117
ページ: 189 193
The Iden 58
Genetics 164
ページ: 963-975
Molec. Biol. Cell. 14
ページ: 4758-4769
J. Phycol. 39
ページ: 172-184
Mol. Biol. Evol. 20
ページ: 1062-1069
J. Plant Res. 116
ページ: 317-326
J. Exp. Bot. 54
ページ: 2669-2678
Planta 218
ページ: 240-248
DNA Res. 10
ページ: 213-220
Genes Genet. Syst. 78
ページ: 353-361
Molec.Biol.Cell 14
J.Phycol. 39
Mol.Biol.Evol. Evol.20
J.Plant Res. 116
J.Exp.Bot. 54
Genes Genet.Syst. 78